ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

オープンなシステムを考える

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IT業界が賑ったごく最近のニュースと言えば、やはりオラクルによるサンマイクロシステムズの買収が完了したことだろう。発表されてから9ヶ月というかなりの長期間を要した結果、オラクルは今やハードウェアからミドルウェア製品やアプリケーションまでの幅広い品揃えを得るに至ったということになる。マスコミ情報によると、社長のCharles Phillips氏は1960年代のIBMが掲げたビジョンに倣ったそうだが、かつてのIBMとの違いは「オープン」なシステムを提供することなのだそうな。

確かにオープンであることというのは、システム構築においてよく見られる要件だし、何かとオープン性を強調することは受けが良い。何が何だかよくわからないけれども、単純に開放的で明るいイメージがある。おそらく元はと言えば、システムの全てを特定ベンダーのテクノロジーに縛られるという、旧来のしきたりの対極として、90年代に広まったマルチベンダー志向を意味する概念だと僕は考えている。だとすると旧来のソフトウェア製品群に加えて、ハードウェアとかOSとかオープンソース製品までをも一社のラインアップに加える事は、ユーザーから見ると特定ベンダー製品に偏る傾向が強まることを意味するわけだから、当初のオープンの概念に反することになりはしないか。要するにオラクルの行動は、社長の説明とは裏腹にオープンへの逆行だということになる。

この矛盾が生じてしまうのは、オープンをマルチベンダー志向であるとする仮定が間違っていたために違いない。単一ベンダー製品のみで作り上げられたシステムであっても、オープン性を主張できなくてはいけないのだろう。だからと言って、自社製品にはオープン性があるけれども、他社製品にはそれがないといった具合に、製品機能の代名詞として定義するのは正しいのだろうか。業界標準と言われるようなテクノロジーを実装する事をもってオープンと称するのだとしたら、今やオープンでないシステムを探すのが難しい。アプリケーションの可搬性を言うのだとしたら、逆にかなり限定されてしまう。結局何だかよくわからない。

要するにオープンとは、とりあえず唱えていれば救われた気分になるありがたいもの、といった程度のものなんだろう。シングルベンダー・システムだろうが、接続性がどうだろうが、構築しようとしているシステムが用件を満たしてくれさえすればそれで十分なはずだ。受けの良い修飾語程度のものだと思えば良いかもしれない。

なあんて、オープンではないと言われる事のある製品を担当していると、他人の言葉にも敏感に反応してしまうのでした。オープンに何を期待しますかと問えば、僕の経験上はマルチベンダー志向を答えるケースが圧倒的に多いようだが、それってシステム構築や保守の事を考えると、現実的には茨の道だと思うんだけどな。

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