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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

僕にとってのここ一週間のハイライトと言えば、POWER7プロセッサー搭載のPower Systems新モデル発表である。発表に関わる立場にあった身としては、やっとここまで来たかという思いがする。ああ終わった、と言っている暇もなく、これからまた新情報を多くの関係者の方に届けるべく飛び回ることになるのだろう。これまでPOWER7について思いつくままに、その特徴を何回か書き連ねてきたが、少しはお役に立てただろうか。とにかくわかりやすさを最優先として書くことを心がけたので、この手の話題に詳しい方にとっては正確度に欠けていたと思うし、事実そのような指摘も受けたが、プロセッサー・テクノロジーに馴染みのない方が、興味を抱くきっかけにでもなれば幸いに思う。わかりやすさと技術的正確さとは時に相容れないので、どのあたりで妥協するべきか常に頭を悩ませる。もっとも僕自身プロセッサー・アーキテクチャーの専門家でもないので、あまりきちんとした説明を求められても困るのであるが。

従来からPower Systemsに携わっていた方からよく受ける質問の一つに、「・・・で、POWER7になった事によって、何か画期的な新しい機能が登場したのでしょうか?」というものがある。実はこの問いには答えに詰まってしまう。POWER7はあらゆる点において技術革新がなされていると言えるのであるが、ユーザーの立場にとって何か革新的な新しい価値をもたらすかと言うと、おそらくそうではないかもしれないのである。プロセッサーが備える属性にはどのようなものがあって、どう改善されるのが望ましいか、という問いの答えを考えてみよう。例えばそれは、速い、安い、信頼性が高い、旧来製品との互換性がある、使いやすい、といったものだろうし、昨今ではこれに消費電力が少ない、というのも付け加えることができるだろう。これらの価値は突然降って湧いたものではなく、全て過去からの延長線上にあって、連続的な繋がりを保ちながら改善が施されている。技術的には革新かも知れないが、必ずしもそれが市場価値の非連続性を実現するものではないという事なのだろう。製品に関わる立場としては、技術論に浸るだけでなく、一方で素人の目をもって技術を評価する必要もあると思うのである。

だからと言って意義が無いと断じているわけではない。地味かもしれないが、あらかじめ製品としての計画、すなわちロードマップが確立され、それに従って開発投資が行われ、想定通りのスケジュールに従って登場してきたことに意義がある。製品に対して投資を継続するというコミットメントが守られていることに価値があり、結果として市場において、(僕が信じて期待するに)競争力ある製品として評価される強さも備えているに違いない。

まだ製品としては市場に登場したに過ぎなくて、僕らの活動もまだ緒に就いたばかりである。それらの成否はこれから市場が決める。発表時の評価はまずまずの滑り出しだったと思うが、真価が問われるのはいよいよこれからなのだと思っている。

安井賢克

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日本IBMで「System i」という名前のコンピュータの製品企画を担当しながら、製品の宣伝活動も積極的に行なっています。

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