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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

デスクトップPCのスペックは需要を追い越したのかな

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先日PCを騙し騙し使っていることを書いたが、奇しくも「使おうと思ってスイッチを入れてから10分以上も待たされるのはたまらん」というクレームを受けるに至ってしまった。ま、確かに10年近く経過したマシンだし、1.6GHz Pentium4、メモリ容量256MB、Windows2000搭載というスペックは現在ではかなり見劣りがするだろう。ではそろそろ我が家のメイン・コンピュータも刷新するかとばかり、週末から検討を始めてみた。DVDが全く使えないのでもらったデータにアクセスできない、必要最低限のスペックを満たしていないのでiTunesが稼動しない、といったように何度か寂しい思いをしたのも事実である。今に見てろよ、最新鋭のマシンに入れ替えてやるぞという意気込みはさておき、地道に概算要求作りからとりかかろうとするところが我ながらしみったれている。

概算を知るのが目的だから、最初にチェックしたのはやはり某大手PCメーカーのWebサイトである。デスクトップ型PCについて、自由に構成を変更しながら予算枠を見ていこうというわけだ。近所の量販店の広告に掲載されているのは、テレビとPCを足して2で割ったようなやつだったり、ノートPCだったりするので僕の目的には合わない。家庭に普通のテレビはあるわけでわざわざPCを使おうなどと思ってもいないし、特にノートPCはコンパクトである反面、使い勝手に無理というか窮屈さを感じるのである。

それにしてもここしばらくPCのスペックを眺めていなかったので、昔と大分様変わりしていることに気付かされる。何気なく構成を組んでみたら、クアッドコア・プロセッサーだったり、メモリ容量が4GBもあったり、ハードディスクに至っては320GBもある。これで最小構成だと言うものだから恐れ入る。オフィスの延長、プラスアルファ程度の使い方しかしていない我が家のPCでは、デジカメのファイルを目一杯突っ込んであるにも関わらず、データ使用率は80GBディスクのせいぜい半分を越えた程度である。一体どういうつもりなんだとあらためてメーカーのWebサイトを見てみると、エンターテインメントをさらに快適な環境で楽しめると主張している。なるほど。オフィスではなくて、ゲームを主要な用途として想定するから必然的にスペックがどんどん成長しているというわけなのだろう。

どうやら個人用PCの世界においても、機能として提供されるスペックが需要を追い越すという現象が見られつつあるということだろうか。これって確か「イノベーションのジレンマ」の中で、ハードディスク・テクノロジーを引き合いにしながら述べていたやつだ。だから需要のレベルを引き上げるために、オフィス用途だけではなく、ゲーム機としての要素を強めているのだろう。確かにゲーム用途の方が、高速で大容量のデータを取り扱う必要性が強そうだ。でもゲーム目的だったら、専用機を買った方がずっと安く済ませられるのではないかな。そして一方ではミニ・ノートが市場には登場しているので、いずれ性能が上がってきたら、オフィス用途に使えるレベルに達する日が来るのだろうか。

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