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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

3年目の講師業

2010/02/09

2010年度も大学で講義を受け持つことになった。今年で3年目である。内容は大きく変えないが、資料の方は時勢に合わせながら少しずつ更新していくつもりである。ビジネスにおけるコンピュータといったような内容なので、ある程度の業界の流行は追いかけて、学生にできるだけ新鮮なネタを提供するよう心がけねばいけないだろう。大学へのシラバス提出にあたって、今年は一点だけ過去2年間とは大きく違うことをやってみようと考えている。それは成績の評価方法である。従来は講義の出席状況と論文のみで成績を決定していたのだが、今年は他の多くの講義がそうであるように、期末テストを実施しようというわけだ。

そもそもコンピュータに関する話だからといって、ビジネスの世界で行なわれている事は、ほとんどの学生にとっては未経験の出来事である。だから一生懸命聴講したところで、実感を伴って理解するのはまず不可能に近いはずだ。とばかり、テストの現場で問題を見て途方に暮れてしまうのも気の毒かなと思ったりもしたのだが、論文だけで成績をつけるのは大変に難しい事がわかってきたのである。課題を出す以上は、こっちにも書いて欲しいポイントがいくつかあって、それを基準に採点したいところなのだが、どうしても思い込みやらどこかでの聞きかじりやら、どうにかすると誤解まで一致する論文が見つかることがある。理解するのは難しいにしても考えてみて欲しかったなあと、僕の狙いが外れていることを思い知るのである。

そうなると予め想定していた採点基準は何の役にも立たなくなってしまうので、全論文に目を通して採点基準をどこら辺に置いたらよいのかをまず最初に見極める。今度はその基準に照らしながら再度全論文に目を通して評価別にグルーピングし、最後にそれが妥当かどうかをもう一度検証する。というわけで、少なくとも一つの論文に3回は目を通すことになる。これが結構時間のかかる作業で、少なくとも土日二日間は丸々これでつぶれてしまう。もちろん期待通りに書かれている論文も相当にあるので、そういうのに遭遇すると、ああ講義を聴いてくれているんだなと嬉しくなってしまう。ついでながらテストを実施しなかったもう一つの理由は、テストを監督するために大学に行かずに済むので、時間を節約できることである。

こうなる原因はやはり学生個人の個性が論文に現れにくいからだろうか。全て自分の力で知恵を巡らせるのであれば、おそらくこうはなるまい。という仮説に基づいて、今度はテストを実施してみようと思い立ったというわけだ。出来栄えにばらつきが生じればそれだけ採点がしやすくなるし、テストの監督に時間がかかったとしても、大した事はないかもしれない。ならば一度やってみるか、という発想である。ただしおそらく問題作りに注意を払う必要がある。他人の話を聞いて何となくわかったと感じる事と、自力で同じ事を述べて主張する事との間には、雲泥の差があるはずだ。学生にとって慣れない異次元の話題にどこまでついてきてもらえるか、こちらとしても低い評価をつけるのは本意ではないので今から考えあぐねているのである。

安井賢克

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日本IBMで「System i」という名前のコンピュータの製品企画を担当しながら、製品の宣伝活動も積極的に行なっています。

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