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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

アイスランドといえば、最近再び火山爆発があって航空機に影響が出ていますが(昨年の噴火では僕もエライ目に遭いました)、そのアイスランドでソーシャルメディアを憲法改正に活用するという画期的な試みが行われているそうです:

Mob rule: Iceland crowdsources its next constitution (The Gurdian)

As the country recovers from the financial crisis that saw the collapse of its banks and government, it is using social media to get its citizens to share their ideas as to what the new document should contain.

"I believe this is the first time a constitution is being drafted basically on the internet," said Thorvaldur Gylfason, member of Iceland's constitutional council.

金融危機によってアイスランドの銀行と政府は壊滅的な状況となったが、同国はその危機から立ち直りつつある。そんな中、アイスランドはソーシャルメディアを使い、新しい憲法に対するアイデアを市民と共有しようと試みている。

憲法評議会のメンバー、Thorvaldur Gylfason氏は、「憲法の草案が主にネットを通じて起草されるというのは、史上初のことではないだろうか」と語る。

ソーシャルメディアを通じて何かを決める。ITmedia読者の方々であれば、特に驚くべきような発想ではなく、実際に日々そのような使い方をしているよという人も少なくないでしょう。しかしこのケースは対象となるのが「憲法の草案をつくる」というシリアスなテーマであり、しかも利害関係を持つのは国民全体です。果たしてうまくいくのか、と心配になりますが、どのような取り組みを行っているのか実際のところを見た方が良いかも知れません。

ということで、現状で利用されているサービスがこちら(頻繁に登場する”Stjornlagarad”とはアイスランド語で憲法評議会を意味するようです):

Facebookページでは参加者によるディスカッション、Twitterでは現状に関する告知活動、YouTubeおよびFlickrでは評議会の様子を視覚的に伝えるという感じで運用されているようです。この他に、当然ながら公式ウェブサイトも開設されています。さらに憲法評議会の会議は一般に公開されており、公式サイトおよびFacebookを通じてストリーミング中継されているとのこと。なんだか日本の「仕分け会議」Ustream中継を彷彿とさせますね。

こうして起草された草案は、最終的に国民投票によって採用するか否かが判断されるそうですが、一般の人々を参加させることで混乱や、議論の質の低下などは起きていないのでしょうか?この点について、以下のようなコメントが紹介されています:

Gylfason said he had been pleasantly surprised by the level of discussion. "There's been a lot of goodwill for what we are trying to do. The public have added much to our debate. Their comments have been quite helpful and they have had a positive effect on the outcome."

交わされる議論の質が高いことについては嬉しい驚きだ、とGylfason氏は言う。「私たちが成し遂げようとしていることに対して多くの善意が寄せられている。私たちの議論に、多くのものをもたらしてくれるのだ。一般から寄せられるコメントは大きな助けになるし、ここで生み出されようとしているものに良い影響を与えている。」

アイスランドでは金融危機による混乱が起きたことで、政治のあり方に対する国民の関心が非常に高まっているそうですが、そのような背景があることも議論の質を高めている一つの要因かもしれません。また以前ご紹介したNPRの事例の時と同じように、Facebookによる実名コミュニケーションが下地になっている可能性もあるでしょう。いずれにしても、ソーシャルメディアを直接民主制的な活動に使うことができるのかを考える上で、参考になる事例になりそうです。

ということでそろそろ日本でも選挙がありそうな雰囲気ですし……もはやマニフェストなど忘れ去られている感もありますが、新しいマニフェスト作りにソーシャルメディアを活用、なんていかがでしょうか?各政党の皆さま。

【○年前の今日の記事】

可視化される Twitter デモ活動 (2009年6月15日)
ノーベル賞をとる年齢 (2007年6月15日)
「ゴールに近いサービス」の提供 (2006年6月15日)

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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