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ビジネスとテクノロジーの間には深い溝がある?

Oracle Sales Cloud の最新版提供開始

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2015年10月13日、日本オラクルはOracle Sales Cloudの最新版提供開始を発表しました。Oracleがクラウドで提供するSaaSは多岐に渡っており、「Oracle Customer Experience Cloud」「Oracle HCM Cloud」「Oracle EPM Cloud」「Oracle ERP Cloud」「Oracle SCM Cloud」の5つの領域に大きく分類できます。今回リリースされるOracle Sales Cloudは、企業のフロントエンドの業務プロセスを対象とする「Oracle Customer Experience Cloud」の中のサービスとなります。

販売プロセスのクラウドと言えば、Salesforce.comを真っ先に連想するためか、その牙城をどのように攻略するのかに関心が集まります。この点に関して、日本オラクルのクラウド・アプリケーション事業を統括する下垣典弘氏は外部調査を引用し、「SFA製品を導入していない企業で構成される市場の規模は1,800億円、既にSFAを導入していても今後クラウドへの移行が見込まれる企業で構成される市場の規模が1,400億円と、まだ開拓の余地が残されている」と説明します。さらに、同社セールスクラウド統括本部長の大熊裕幸氏は、「市場環境の変化によりCRMに求められること変わってきている」ことを指摘し、これらの要件に対してOracleの強みはビジネスプロセス全体を支えることができる点を強調しました。

今回リリースされるOracle Sales Cloudの特徴は以下の通りです。

  • 業界別のベストプラクティス:Oracle E-Business Suiteの他、Siebel、PeopleSoft、JD Edwardsで蓄積した資産から開発した4つの業界テンプレート(ハイテク・製造、通信、金融、消費財)が短期間でベストプラクティスを導入したい企業の販売業務を支援する。

  • 顧客発掘から契約までのプロセスの合理化:Oracle Marketing Cloud、Oracle CPQ Cloudと連携し、営業活動の精算際の向上だけでなく、お客様の理解や見積り業務の効率化を支援し、顧客とのOne-to-Oneでのインタラクション全体の品質を上げる。

  • 予測、次のアクションを提示:Hyperionの機能を搭載しており、過去の実績や予測が可能。最適な販売テリトリーの設計、ターゲットへの推奨製品が提示されるホワイトスペース分析が行え、スコアリング結果に基づく売上精度予測向上も期待できる。直営店だけじゃなく、代理店の生産性も高めることが可能。

  • 基幹システムとも連携し、業務システムへ進化:基幹システムとの連携は地味に見えるが価値が大きい。MDMやBPMを利用してクラウド上で基幹系のデータを融合することができる他、追加・修正開発が必要な場合はOracle PaaSで補完できる。

Marketing Automationが注目される昨今、CRM=Sales Force Automationの文脈で既にできていることのように語られる傾向がありますが、実際のところ、MAとSFAの連携までできている企業は少ないのではないかと感じます。Oracleのアプローチは顧客が関係するビジネスプロセス全体を支援するものであり、部分的なソリューションを求める現場よりも経営層の方が「Oracle Customer Experience Cloud」の価値を認識しやすいのかもしれません。

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