会社と地域コミュニティの違い
会社の中ではルールを作って組織を作ってPDCAみたいな活動がよく行われますが、地域というのはなかなかそうはいかないものだなと感じます。
特に小中学校などでは顕著なのですが人の入れ替わりがそこそこある上に長い人は長い、しかも均質でもないという性質があります。そのためルールが少し難しくなるとみんなが覚えるよりも前に活動の区切りである1年間が終わってしまいます。しかもその肝心のルールはWordかExcelくらいならば原本に手を入れてメンテナンスしていくこともできるのですが、そのバトンタッチの輪の中にPCを使えなかったり文章を作るのが苦手な人が一定数まとまって入ってくるとルールが手書きに戻り、かつ重要なものがごっそり抜けてしまうようなことも珍しくないようです。ましてやInDesignなどで美しい文書など作ろうものなら誰も引き継げません。会社は入社試験のような形で強いフィルターがかかった人だけが働く場所ですが、地域の場合はいろんな人にバトンを渡しながらできるレベルでやっていきます。(タワーマンションとかは別でしょうが)いらいらせずにできることを少しずつ分担しながらやっていくというのが楽しむコツじゃないかと思います。自分だけが特殊なスキルを発揮してバリバリやろうとすると周りの人が引いてしまったり、その立場を引き継ぐ人がいなかったりで将来的には困るかもしれません。
また、ルールを実行する側もマニュアルを読んでそれを動かしつつわからない部分を人に聞くという回し方に慣れていない場合もあります。そのためガッチガチにやろうとして変な軋轢を生んだりもしますし、クレーマーでよくある「どこに書いてあるんだ!禁止されてないだろ!」的なことが発生するとレアケースのレアケースみたいなものがルールにどんどん追加されて引き継ぎが困難になるといったことも発生していきます。特にコミュニティの中に入っている人であればそこはそこ、子供のためや地域のためにあるべき姿を共有して話し合うこともできるのですが、例えばシルバーセンターから人を出してもらうような場合ですと完全に地元の人だとやりにくさもあるということで適度に遠方から人が来ます。そういうときにものすごいルーズでもやりにくいのですが、シルバー人材になりたてのサラリーマン精神を強く残した方ですとお願いする仕事のこまごまとしたところで「あれは決まってないのか?」「これは決まってないのか?」みたいな重箱の隅をつつく確認が始まったりとなかなかうまく行きません。
こうしたところでのやりにくさは立場の違いから来ているのかもしれません。先方のシルバーの方はお金をもらって働く立場、こちらはボランタリーな活動という気持ちの違いです。ただそれは地域という場所ではそうというだけであり、むしろ先方は定年退職した方で、こちらは休日以外は会社で働く立場だったりします。同じような人なのに気持ちの切り替えをすると仕事の仕方も変わるのがなかなかおもしろい気づきでした。