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思い込みでクオーツ時計を振り回す

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思い込んでいる時、たとえば強く信じている場合や焦っている場合や自分に自信がある場合などに、自分で自分の間違いに気付かないことがあります。

例えばサウナのドア。12分計が1周するまでは我慢しようと思ってぐっと堪えて頭がぼーっとしてしてくる頃合を見計らって「さあ出るぞ」と言うときにドアが開かなくて焦る事があります。引いても引いても開かない。まさか掃除のおばちゃんが鍵をかけたのでは?となぜか違った方向に頭が回ってしまった経験があるのですが、押したら開きました。ちなみに昔サウナで火事があったときに出口に人が殺到し、引くタイプのドアを開けることができなくて大変なことになったことからサウナのドアは押して開けるようになっていると聞いたことがあります。

例えば開発サーバ。webサーバにプログラムを配備して手元の端末からブラウザで動作を確認すると、表示に誤字がありました。ちょちょっとHTMLファイルを修正してFTPでアップロードしてブラウザで動作を確認。まだ直っていない。ブラウザのキャッシュをクリアして再表示。直らない。webサーバのHTTP処理系のプログラムを再起動する。直らない。webアプリケーション系のプログラムを再起動する。直らない。webサーバをOSごと再起動する。再起動中にブラウザをリロードしてみる。表示される。あれ?あ、違うサーバにつないでた、ということもよくあります。

他にもATMの暗証番号を入力する際に「間違っています」という表示が出ているのに間違った暗証番号をそのまま何度も入力してロックされてしまったり、エンジンが切れていると思い込んでキーをひねったら「ガリガリガリ」と嫌な音がしたり、バックだと思ったら前に進んでびっくりしたり(マニュアル車はバックギヤに入れたときのピーピー言う音がありません)、ミリねじだと思ったらインチねじだったり、タバコを吸おうと思ったらフィルタ側に火をつけてしまったり、チェイサーの水だと思ったら焼酎だったり、冷蔵庫のコップに入った黒い液体をアイスコーヒーだと思ったら麺つゆだったりと、思い込みで損をした経験は数え切れません。

思い込みで失敗する事が多いのは自分の短所でもあり長所でもあると思っているのですが、今日の思い込みは自分でもおもしろいものでした。奥さんの時計が止まってしまったのですが、奥さんから「前に止まったときもしばらく使っていなかった」という証言があったことから、勝手に機械式の時計だと思い込んでいました。リューズからゼンマイを巻いた事は無いと聞いていたので、オートマティックなのだろうと。「前に止まったときは時計屋さんに出した」とも聞いたのですが、きっとオートマティック発電でクオーツ駆動するタイプで、二次電池を交換してもらったのだろうと思い込みました。

で、止まってしまった時計に対して何をしたかというと、赤ちゃん用のモビール(ぬいぐるみなどがクルクル回って赤ちゃんを楽しませるオモチャ)にくっつけて1時間くらい回転させました。それでも全然動く素振りがありません。ひょっとして壊れてしまったのかもしれないと思い、ネットで正規代理店を探しました。奥さんの時計は古いものなのでモデルとしては終了しているのですが、公式サイトには後継となるラインナップの時計が表示されていました。スペックを良く見ると「標準使用で3年動く」とあります。???。これって電池式時計の決まり文句だよな、と思って冷静になります。うん。状況証拠からすると電池式時計と断ずるに無理がない。それならそのへんの時計屋さんでもいいか、ということになりました。その後、別件で出かけたときに百円ショップで200円のこじ開けを発見しました。見た感じ精度が良さそうだったので購入しました。バックルをはずしてそっとこじ開けを差し込みます。心の片隅で「ひょっとして自動巻き用のおもりが見えたりして」と思っていましたが、開いた裏蓋の向こうにはSR616という電池が鎮座していました。百円ショップにSR616が売られていた記憶がありましたので、トンボ帰りして買ってきました。2個で100円でした。新しい電池をセットすると見事に動き始めました。それを見届けて金属製のバンドを中性洗剤で洗い、裏蓋のパッキンをぬるま湯に5分ほど浸してクセを取った後にシリコーン系の防水スプレーをかけてしなやかさを回復させます。前からバンドが少し緩いとのことだったのでコマを1つ詰めて、元通りに組み立てて無事終了しました。

実のところを言うと、奥さんの時計を巻き上げるために2連のワインダーを購入し、自分にも1つオートマティックを買ってしまおうとも企んでいました。早まってワインダーを買ってしまわなくて本当によかったです。しかしながらクオーツの時計を1時間もぶんぶん回していたとは我ながら早とちりでした。

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