ETロボコン参戦記 ~ 3年目は東と西から~ (4/6)
2007年に弊社で取り組んだETロボコンの参戦記。第4回目の今回から、西日本地区で出場した「KnowledgeWing」チームの参戦記をご紹介していきましょう。
【KnowledgeWing ~1/3~】
●今回のコンセプトは「高速走行とゴール後停止」
私たちKnowledgeWingチームは昨年までの財産を引き継ぎ、引き続き高速走行&安定走行によってまずは確実に予選突破を行うことを目標としました。また、大会のレベル向上に備え、単純に財産を引き継ぐだけでなく、「ゴール後停止」機能でボーナスタイムをゲットする作戦も同時進行することにしました。
初めに、安定走行のロジックを見直しました。自身の走行状態(カーブor直線)を把握し、直線では必要以上にハンドルを切らない仕様はそのままに、プログラムの再レビュー&ブラッシュアップを行いました。
次に、高速走行ですが、第1回試走会でモーターパワーが255では自身のスピードにステアリングが追い付かず、脱線する危険性が見られたため、予選会では安全性を考慮してモーターパワーを少し落して臨むことに決めました。
その結果、第2回目試走会では、コースを7~8周走行することができ、安定したタイムで走行することができました。また、そのタイムを利用し、タイマー機能でのゴール後停止にも成功しました。
試走会終了後、「まだまだ改善する余地はあるけれども、これで予選通過は大丈夫だろう」と何となく考えてしまいました。しかし、実はその後に大きな落とし穴が待っていました。予選の前々日にマシン本体が大破するトラブルがあり、本来の性能が発揮できない状態に陥ってしまったのです。予選前日に急遽新規マシンを一から組み直しましたが、やはり試走会のマシンとは異なる性能(安定したタイムで走行できない)となり、直前に泣く泣くタイマー機能を取り外すことになりました。
今振り返ってみると、試走会と全く同じマシンで走ることを当たり前と感じ、起こり得るマシントラブルを予測しなかった私たちの、危機管理の甘さがあったと考えます。「危機管理は大切」、「タイマー停止はマシン個体に依存するので危険」という、基本的な教訓を得る結果で終わりましたが、来年以降は別の方法でゴール後停止に再チャレンジします。
●メカニック担当の目から
今回のETロボコンは、新人研修の実施と重なってしまったため、新しい取り組みを行うことができませんでした。
去年は、ロボットの光センサーの遮光パーツを紙の板から、カメラのレンズフードのようなものに変更して、光センサー駆動時の遠心力を少なくすることに成功しましたが、今回はそれを実施する余裕もなく急いでマシンを組み立てただけでした。
マシンのほうも、去年と同じ構成なので本当にソフトウェアのコンテストになっています。
来年どのようなマシンになるかは分かりませんが、メカニックとしては走行時の調整のみになっていくのではないかと思います。
●試走会の苦悩と喜び
試走会1回目:急遽、FLM関西ラーニングセンターでの実施になり、昨年のロジックをまずは走らせて、閾値、速度を確認
試走会2回目:大阪電気通信大学での試走会。事前に打合せをして「ゴール直前で止まる」を試みたが、走らせるだけで精一杯
試走会1回目では、走っているマシンがなく、順調にコースを走るだけでなんとなく優越感を抱いて終了したのですが、試走会2回目では、「ゴール直前で止まる」どころか、順調にコースを走らせるだけで精一杯でした。
特に、コースの中央、端では閾値が大きく違っており、閾値固定ではなく状況に応じての閾値変更は来年の課題と考えます。今までは、試走会と本番会場が違っていましたが、試走会は本番会場での実施がいいです。でも、試走会の時点で「ギャフン」ってなることもありますが。。。