ETロボコン2011関西地区大会が開催されました
2011年9月18日(日)に、ETロボコン2011関西地区大会が開催されました。今年の関西地区大会は昨年の42チームから26チームに参加チーム数が減ったこともあり、例年2日間で開催するところを1日に凝縮して開催したため、舞台裏では何かと大忙しな大会でした。
関西地区大会の会場はもうすっかりおなじみになりました京都コンピュータ学院京都駅前校で開催させていただきました。いつもいつもありがとうございます。
シルバーウィークの最初の3連休に開催された関西地区大会はどんな感じだったのでしょうか?
◎260名弱に集まっていただきました!
今年はチーム数の減少から、当日の来場者もかなり減ってしまうのではないかと懸念しておりましたが、下記のとおりおおよそ260名弱の方々にお集まりいただけました。ありがとうございます。ぜひ、来年は参加チーム数が増え、満席状態になってくれるといいなあ~
関西地区大会 | 懇親会 | |
競技参加者 | 116名 | 67名 |
見学者(一般、後援者など) | 113名 | 0名 |
実行委員スタッフ | 30名 | 27名 |
合計 | 259名 | 94名 |
◎昨年に続きハイレベルな走行競技
今年の走行競技は昨年までにくらべ、ハイレベルな走行が目立ちました。まずは今年の関西地区大会の競技結果をまとめてみましょう!
コース | INコース | OUTコース | |
競技参加チーム数 | 24チーム | 24チーム | |
棄権チーム数 | 2チーム | 2チーム | |
ベーシックステージ完走率 | 70.80% | 83.30% | |
走行タイム(平均/最速) ※1 | 44.4秒/25.8秒 | 43.3秒/26.2秒 | |
ボーナスポイント(平均/最大) ※1 | 12.4pt/35.0pt | 9.3pt/25.0pt | |
リザルトタイム(平均/最小) ※2 | 32.0pt/-4.1pt | 34.1pt/12.8pt | |
難所ポイント取得チーム数 ()内はポイント取得率※2 |
ルックアップゲート | --- | 15チーム(62.5%) |
ET相撲(押し出し) | --- | 0チーム(0.0%) | |
ET相撲(押し倒し) | --- | 2チーム(8.3%) | |
シーソー(シングル) | 9チーム(37.5%) | --- | |
シーソー(ダブル) | 3チーム(12.5%) | --- | |
階段 | 4チーム(16.7%) | --- | |
ガレージイン | 0チーム(0.0%) | 1チーム(4.2%) |
※1 ベーシックステージを完走したチームのみで集計
※2 競技参加チーム数に対する平均、または取得率として計算
今年の競技で目立った点は下記のような点です。競技規約の改定も大きな変化をみせた要因かもしれません。
・競技コースが2つのステージに分割。完走率は飛躍的に向上!
ETロボコンでは、コース上に描かれている黒色の線を光センサーで検知しながら走行するライントレース競技で、その走行タイムを競います。また、コースの途中には、階段やシーソーなどの難所がいくつか用意され、それらをクリアするとボーナスポイントがもらえます。昨年までは、コースの途中に難所が点在していたため、うまく難所をクリアできずリタイアしたり、安全策をとって難所は挑戦しないというチームもありました。今年からは、競技コースの前半をベーシックステージ、後半をボーナスステージに分割したことが大きく走行戦略にも影響がでてきたように思います。
ベーシックステージは一切の難所がありません。そのため、昨年の完走率60.8%をはるかに上回る完走率となっております。その他にもいくつか要因があると思いますが、今年から関西地区では試走会と地区大会当日のコース上の照度を変更しますと事前宣言していましたので、各チームとも環境変化に対応するように設計・実装されたのでしょう.(そうであってほしい・・・)
なお、ベーシックコースでは難所がない分、いかに高速に走行させるかが重要となりますが、今年の関西地区ではぶっちぎりの速さをみせたのは、IN・OUTともに最速タイムをたたきだした「True->Go!!」チームです。そのほか20秒台をたたきだしたのは「猪名寺駅前徒歩1分」チームのみでした。あきらかに他のチームに比べ高速走行していました。
・ET相撲に苦戦!
競技コース後半のボーナスステージでは、いくつかの難所が設けられており、それらをクリアすることでボーナスポイントを取得することができます。
昨年から継続で設けられたシーソーについては、一旦シーソー板を倒して、もう一度戻ってきてさらに渡りきるシーソーダブルを見事に決めるチームも現れました。相当練習したんでしょうね。ちなみに、階段のポイント取得チームが少ないですが、多くのチームがシーソーをクリアした後にラインを見失い、階段をまっすぐ登れずに倒れてしまうという光景を多数みました。
また、ガレージインも昨年からの継続で、昨年は約1/5のチームが成功させていましたが、今年はボーナスステージの途中の難所でリタイアするチームが多く、ガレージまで到達できないことがほとんどでした。おそらくポイントも低いのであまり重視しなかったのかもしれません。
一方、今年から追加された難所であるルックアップゲートとET相撲は、くっきり明暗をわける結果となりました。
ルックアップゲートは、走行体よりやや低い高さのゲートをくぐり抜けるというものですが、こちらはあっけなくクリアされてしまいましたね。約60%のチームが成功させています。
ところが、ET相撲についてはたった2チームしか成功できていません。ET相撲はコース内の特定のエリアに相手チームが走行前に自由にペットボトルを配置させることができ、それをコース外に押し出すというものです。走行体には超音波センサがついていますので、それでペットボトルを探し出すのですが、なかなか思うように見つけ出せないチームが多く、途中であきらめて次の難所へ進むという光景を何度と見ました。ET相撲の結果が、上位入賞に大きく影響したといっても過言ではありません。
・Bluetooth解禁!実際には・・・
今年からもう一つ大きな競技規約の変更としてBluetoothの利用が可能になりました。これは、スタート時にPCからBluetooth経由でスタート指示を送信したり、走行中にPCと走行体がBluetoohを用いてデータのやりとりを行うことができます。ただし、スタート後人間は一切の情報を外部から与えることができませんので、実際利用していたのは2~3チームでしたが、スタート時にPC側からET相撲のペットボトルのおおよその位置を伝えるという用途のようでした。
次年度以降、さらにどのように発展していくかはわかりませんが、おもしろい試みではあったように思います。
◎競技のあとはモデルワークショップ。ドリフのように大急ぎでセット入れ替え!
今年は、1日で走行競技とモデルワークショップを実施するため、走行競技終了後30分間でコース機材の撤収とワークショップの準備を実施するといった大忙しの舞台裏でした。とにかく、実行委員、スタッフ総動員で舞台上の機材を片付ける様子はまるでドリフの8時だよ全員集合を彷彿するものでした。
なんとか、ぎりぎり30分間で片付けが行え、モデルワークショップ開始。
モデルワークショップでは、各チームが事前に提出したモデル(ドキュメント)を審査した結果の傾向分析であったり、良い面、悪い面を審査員から説明するとともに、参加者にもコメントをもらいながら和やかな雰囲気の中進んでいました。(私は舞台裏で荷物の片付けや表彰準備などを行っていたためほとんど見ることができませんでしたが・・・)
ETロボコンでは、走行競技だけでなく、分析、設計といった実装までの作業をモデルにまとめ、このモデルも評価対象となりますので、参加者のみなさんも熱心に聞いていました。
地区大会の1週間前の審査合宿から含め審査委員のみなさんお疲れ様でした!
◎今年も負け犬の遠吠え、関西三唱で締め
モデルワークショップ後は、表彰式が行われました。競技部門、モデル部門、総合部門のそれぞれ上位3チームに対し、表彰状と表彰楯が贈られました。また、表彰式では、11月16日にパシフィコ横浜で開催されます「ETロボコン2011チャンピオンシップ大会」への出場権獲得チームの発表という大事なイベントがあります。今年は、ETロボコン10周年記念ということで、全国から40チームの選抜に加え、各地区からさらに1チームが特別枠として選抜されます。
各地区の参加チーム数の割合で出場枠が決定しますが、今年の関西地区は3チーム+1チームです。
総合上位3位までは自動的に決定となりますが、残りの1チームの選出方法は地区の方針にゆだねられています。そこで関西地区では、「総合4位まで選出」という方針となり、そのチームが発表されました。
すべての総合順位が紹介される中で、一喜一憂する各チームメンバー。みなさんのこれまでの努力の結果であり、ここまでのプロセスにぜひ誇りをもっていただければと思います。
表彰式終了後は、大会会場で軽食と飲み物を用意して懇親会のスタート。ETロボコンの醍醐味の一つは、やはり会社や学校は違えども、みなさん組込み、ETロボコンという共通の分野でともに活動してきた仲間たちが互いに交流を図れることです。会場に貼り出されたモデルなどを題材に参加者、および実行委員のみなさんと大いに盛り上がっていました。
また、懇親会では恒例となりました負け犬の遠吠え。残念ながらチャンピオンシップ大会に出場できなかったチームが、いろんな鬱憤を叫んだり、来年へのリベンジを誓ったり・・・その都度、関係者に逆にギャフンと言わされたりもしてました。チャンピオンシップ大会に出場を決めた準優勝チームが優勝チームに、チャンピオンシップ大会では負けないと宣戦布告する場面もありました。ぜひ、互いにライバル意識を出し合い、チャンピオンシップ大会ではともに上位に入賞してくださいね~
地区大会が終了し、今年の関西地区イベントもほぼ終了となります。あとは、10月29日に地区独自勉強会TWOを残すのみ。この勉強会では、一年間の活動を振り返り、今後に活かせてもらえるような内容にしたいと、現在企画中です。楽しみにお待ちください!
最後になりましたが、2011年度の関西地区大会実施にあたっては、ご後援いただきました各団体、会場提供いただいた皆様、運営実施等ご協力いただきましたボランティアの皆様のおかげで無事終了することができました。この場を借りまして御礼申し上げます。
【参考】
・ETロボコン関西地区ホームページ
http://kansai.etrobo.jp/2011/
・ETロボコン2011関西地区大会 結果
http://kansai.etrobo.jp/2011/result.html