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ETロボコン参戦記 ~ 2年目のジンクス or リベンジ ~ (4/4)

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【ETロボコン参戦記 ~2年目のジンクス or リベンジ~ その4】 ~2006年度参戦記~

(2006年度の参戦記については、富士通ラーニングメディアのHPに掲載されていたものですが、HPリニューアルとともに破棄されたためこちらに再掲します。)

●熱気と興奮の本番走行。恐るべし『パルテノンの上り坂』。。。
<パルテノンコース。手前に見える直線が魔の上り坂。>  競技大会1日目。今にも雨が降り出しそうなどんよりとした空模様でしたが、会場は別世界のような熱気に包まれていました。
 コースの状況を確認しようと会場を覗いた我々の目に飛び込んできたのは、参加チーム数増加に対応するために今年から2つに分けられた走行コース。『ピラミッドコース』『パルテノンコース』と名づけられたその2つのコースにはスフィンクス、ピサの斜塔などのオブジェが配置されています。
<会場の照明の暗さに、全員に緊張の色が。。。>  単なる黒線だけのシンプルな練習コースを見慣れていたので本番用のコースを目にするだけで緊張が高まってきます。そして、なにより私達を不安にさせたのは会場の照明の暗さでした。案の定、試走ではアクティブウィングチームがまったく走れないというトラブルに見舞われ、ピットで調整を繰り返すメンバの表情にも緊張の色が隠しきれません。

 いよいよ本番、1順目は両チームとも『ピラミッドコース』での走行です。
 KnowledgeWingチームは3組目。とりあえず無事完走してくれることを祈りつつスタートボタンを押しました。試走と同じように快調にコースを駆け抜け、なんともスムーズに2周を走りきってゴール!!
<KnowledgeWingチームの第1走目。この後、コースレコードが樹立される。>  まだこの頃は他チームの状況がわからなかったのですが、それでも「なかなかいいペースで走れた!」という満足感がありました。
 その後レースは大波乱。コースアウト続出で完走できるチームが予想以上に少ないのです。特に『パルテノンコース』の上り坂で、それまで順調に走っていたのに突然コースアウトする現象が多発。"魔の上り坂"です。
 走行順20組目、アクティブウィングチームが挑むのは"Zクランク"。この難所にチャレンジするチームがほとんど無かった中で、Zクランクに入ったアクティブウィングチームに会場がどよめきます。
<Zクランクをクリアした瞬間!! 会場から拍手喝采が。。。>  1回目のカーブをクリアし、2回目のカーブに突入したところで・・・行きつ戻りつ前に進めなくなってしまいました。かなり長時間が経過して会場も応援ムードから諦めムードが漂い始めたその時!
 ついにアクティブウィングチームがZクランクを走破したのです!感動の一瞬でした。
 2周目もZクランクをクリアしたものの、惜しくもタイムアウトとなってしまいましたが会場からは惜しみない賞賛の拍手をいただきました。

<アクティブウィングチームの2走目。点線ショートカットをクリアした直後>  2順目は"魔の上り坂"を有する『パルテノンコース』でのチャレンジです。
 残念ながらKnowledgeWingチームはまさにその坂道でコースアウト。アクティブウィングチームはまたしても果敢に難所を攻め、1週目は見事に点線ショートカットをクリアしましたが2周目で惜しくもコースアウトしてしまい、両チームともリタイアという結果になってしまいました。

 他チームの走行も非常に面白いものが多かったです。
 モデルで優秀と評価されたチームや前評判の高かったチームがまったく走れなかったり、ラインを外れたもののコースの縁をラインとみなして走りきり、なんとゴールゲートをきちんと通過したため完走扱いとなったチームがあったり・・・
 会場がひとつになって走行体を応援し、笑いあり涙ありで大変盛り上がりました。

●またもや,「良いモデルは良い性能」をださなかった。
 2日目はモデル部門のワークショップが行われました。あいにくの天気でしたが、会場内は1日目の熱気が残り、ムンムンしていました。
<モデル部門で最終選考まで残ったアクティブウィングチームのモデル>  「モデル部門」で入賞したチームの発表から、本当に細かな分析をしているチームが多いことを認識しました。モデル審査は、いかに目にとまり、シンプルで分かりやすい記述になっているかがポイントだと思います。
 毎年の注目ポイントである、「良いモデルは良い走りをするのか」については、段々と立証にむけて近づいてきているようですが、残念ながら今年もモデル優秀チームはことごとくタイムトライアル部門でリタイアに終わってしまう始末。。。
 モデルはプログラムの設計書であり、読み手に何を伝えたいのか、魂を込めて記述する必要があるのです。
 本大会は、設計書どおりにプログラムを作成すると、高速走行、難所走行できることを分かりやすく伝えなければならない。新たに追加された評価項目である「予測性能」は良いモデル=良い走りを立証するのに、非常に重要だと感じました。
 こうして、2006年度のETロボコンは幕を閉じました。

●堂々の総合6位 & 審査員特別賞受賞!!
 2006年度の私たちの成績は、以下のようになりました。今大会は完走がわずか24チーム(約1/4)しかできないという波乱の大会でした。

<タイムトライアル部門で審査員特別賞を受賞したアクティブウィングチーム>  <KnowledgeWingチーム>
  総合 6位 (133.6ポイント)
  ★コースレコード樹立!!
   1回目 : 38.6秒(コースレコード)
   2回目 : リタイア

 <ActiveWingチーム>
  総合 26位 (195.0ポイント)
  ★審査員特別賞受賞!!
  ★モデル部門最終選考進出!!
   1回目 : リタイア(Zクランク:2回攻略)
   2回目 : リタイア(点線ショートカット:1回攻略)

 基本コンセプトとして掲げたとおり、KnowledgeWingチームは高速走行に成功し、今大会のコースレコードを樹立することができました。また、アクティブウィングチームは難所走行に成功し、今大会では2チームしか成功しなかったZクランクを攻略でき、審査員特別賞を受賞できました。
 振り返ってみると、非常に良い結果を得ることができた大会だったように思えます。メンバー全員が一丸となって活動できた成果だと素直に喜んでいます。
 今後は、チャンピオンシップ大会や来年のETロボコンで、KnowledgeWingチームの「高速走行」とアクティブウィングチームの「難所走行」が、一つに融合して「高速、難所走行」が実現するように、さらに進化を目指します。
 ご声援、ご支援いただきました皆様に感謝いたします。

●チームメンバーからのメッセージ
 では、最後に大会終了後の興奮も冷めないうちに、参加メンバーから熱いメッセージを!!

天藤 : 高速走行時および低速走行時に、前輪モータをステッピングモータのように動作させたいと思っていましたが、時間がなく実装できませんでした。チャンピオンシップ大会では是非実装したいと思います。

竹内 : 速く走れてよかったです。私は、ネタを喋るだけだったので、ぜひチャンピオンシップは、プログラムを書いて実装したいと思います。

宇野 : 今年は実装の方にはノータッチで、モデルにほんの少し携わっただけに終わってしまいました。戦力になれず申し訳ありません。2回の出場でだいぶノウハウも蓄積できてきたのが嬉しいです。

森本 : 今年は体調不良のため大会に参加出来なくてとても残念です。次回の大会では、ロボコンの勇姿をしっかり見れるように体調も整えて参戦に望みたいと思います!

高橋 : ETロボコン当日に自分の作ったプログラムが近道(点線)を走った時、思わず飛び上がって喜んでいました。この感動はこれまでの苦労があったからの喜びだと思います。忘れません。この喜びを!!!

辻坂 : モデリング嫌いの私ですが、モデル作成に少しだけ参加させてもらいました。途中、アクティビティ図の書き方に迷い、フローチャートに逃げようとした根性なしの私を許してください。メンバのみなさんの努力のおかげで最終審査まで残ることができ、その感激を私にも味あわせてもらって感謝しています。

松尾 : 今大会は、出場2チームの言語を共通にし、共同開発できる部分はできるだけ協力し合いながら進めたため、より品質の高いプログラムが完成しました。やはり、メンバー全員の意識を統一し、基本コンセプトに基づいて開発するということの重要性を認識できたことが一番の収穫です。今後さらなる進化にチャレンジしていきたい。

吉田 : 今年はモデルにより近づけようと実装したので、良い結果につなげることができました。モデルから実装までの流れを学習しながら、組込みソフトウェア開発の難しさを改めて体感することができ、良かった。賞をいただいたものの、完走はしていないので、気を引き締めて完璧な走行を目指します。

<大会当日参加したメンバーで記念撮影!!>

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