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Lotus Spring Forum開催レポート(4) ~コンポジット・アプリケーション~

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 「Lotus Notes 8とJavaの世界を融合する新しいアプリケーション開発」では,Lotusテクニカル・セールスの大川さんがスピーカとして登場した.
 このセッションでは,Lotus Notes 8で新たに可能となる"コンポジット・アプリケーション開発"についての紹介がありました.

 まず,コンポジット・アプリケーションを利用するための大前提は,Lotus Notes 8のクライアントとして従来のクラサバ型を発展させたBasic版とリッチクライアントとして進化させたStandard版のうち,後者のStandard版でないと利用できないという点には注意が必要です.これは,ベース技術として,Lotus Expeditorが提供するEclipse RCPを用いたIBM共通クライアント・プラットフォーム利用しているためです.
 一見,Webのフレームセットやポータル画面のように,一画面に複数の要素を埋め込んでいるように見えるのですが,単純にページを寄せ集めて表示するだけでなく,それぞれアプリケーションのコンポーネントが連携し合うところがコンポジット・アプリケーションの特徴です.たとえば,一つのコンポーネント上でユーザが何か選択すると,それに連動して他のコンポーネント上の情報も置き換わるといったものです.

 コンポジット・アプリケーションの開発の流れは,Domino Designer,Lotus Component Designer,各種Java開発環境でまずコンポーネントを作成し,その後Composite Application Editorによってそれらを組み合わせます.
 コンポーネントの連携に関する設定については,Domino Designerでビューの列およびアクションのプロパティに新たに追加される「Composite Settings」で,連携する際に渡されるデータ("プロパティ"と呼ぶ)と,呼び出されるロジック("アクション"と呼ぶ)を指定します.また,Composite Appication Editorを利用することで,GUI操作でコンポーネント間の組み合わせ(ワイヤリング)が可能となります.

 コンポジット・アプリケーションによって,Notesのアプリケーション内だけでなく,Javaで開発したコンポーネントも含めて疎結合で異なるシステムを統合できる環境が得られ,いままでに無いシステム構築が容易にできるようになりそうです.まさにSOAの考え方を形にした一つの例となるように感じました.パブリックベータが公開された後,実際に試してみたいと思う一つですね.

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