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Lotus Spring Forum開催レポート(5) ~Lotus Expeditor~

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 「Lotus Notes 8の新アーキテクチャを支えるベース技術」では,Lotusテクニカル・セールスの森谷さんがスピーカとして登場した.
 このセッションでは,Lotus Notes 8やLotus Sametime 7.5で利用されているリッチクライアントのベースとなるクライアント・プラットフォームである「Lotus Expeditor(エクスペダイタ)」についての紹介がありました.

 Lotus Expeditorは,プラグインにより機能拡張できるEclipse RCPをコア技術として用い,それにIBM独自の部品やフレームワークを追加したアプリケーション基盤として提供したものです.GUI部品やMQなどに加え,認証機構や管理機構といったExpeditor独自機能が提供されています.

 Lotus Expeditor自体は,昨年の11月にV6.1としてリリースされたもので,その特徴を表すキーワードとして下記の5つのキーワードで紹介されました.

WEB
 クライアントサイドでJSP/ServletといったJ2EEの一部とポートレットを実行する環境を提供し,従来のWeb資産を再利用することが可能.
RICH
 SWT/JFace,AWT/SwingといったJavaのGUI部品が豊富に提供され,Webブラウザ以上の操作性やレスポンスが得られる.
COMPOSITE
 アプリケーション連携のフレームワークとして"Property Broker"を利用し,個々のアプリケーションの開発において画面構成と連携設定を分離し,アプリケーション間の依存関係を排除した疎結合なシステム開発が可能.
DISCONNECTED
 アプリケーションがスタンドアロン環境でも完結して動作可能となるよう,バックエンドとのデータ連携やセキュリティ機能を提供します.
MANAGED
 各クライアントの構成情報を一元管理できます.また,サーバー管理型でクライアントで実行できる機能を制限することも可能です.ロックダウン機能を利用すると,ユーザーはWindowsマシンにログインすると,Lotus Expeditorクライアントが起動され,Expeditorが提供している機能以外に一切アクセスできないといった利用方法も可能となります.

 このように,Expeditorが提供する機能こそ,Notes 8クライアントのStandard版で提供されるリッチクライアント機能であるため,一足早くリッチクライアントの世界を体験したい人は,すでにリリースされているLotus Expeditorを触ってみるとよく理解できると思います.(私も先日,Lotus Expeditorのセミナーを受講し,リッチクライアントの世界がかなり体感できました.)
 なお,セッションでもおっしゃっていましたが,Lotus Expeditorはカスタマイズ可能であるため,実際にNotes 8にExpeditorが提供するすべての機能が含まれるかは未定とのことです.

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