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B2B、B2C企業におけるソーシャルメディアの取り組みの違いについて

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B2B Marketing Goes Social : A White Horse Survey Report. (White Horse)
(参照資料:PDF)

In March 2010, White Horse conducted a survey of corporate marketers of
their companies’ use of social media marketing.
The results provide asnapshot of the current state of social media marketing
and demonstrate its rapid evolution over the last three years.

2010年3月、White Horse社は企業のマーケターがソーシャルメディアをどう利用している
かを調査した。その調査結果から現状のソーシャルメディアの現状が浮かび上がってきた、
と同時に3年前とくらべると大きな変化が起こっていることも見て取れる。


■Saffing

調査によると、B2C企業の54%が1人もしくはそれ以上の従業員をソーシャルメディアマーケティングの専任担当としておいているのに対して、B2Bのそれは40%。(私はよくわかっていのですが)B2B企業の組織は比較的小規模であるので、それを考慮するとこの配置が意味していることは大きい、とあります。

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■Staffing, cont.


よりB2C企業の取り組みとの違いが明らかになったのが、こちら。B2B企業のマーケティング部門において、業務の一部としてソーシャルメディアに取り組んでいる割合。
71%のB2Bのマーケティング部門において2人あるいはそれ以上の従業員が業務の一部としてソーシャルメディアに取り組んでいるようです。対するB2C企業では62%。部門や、カスタマーのタイプによって定義されるマーケティングの違いのなかで、マーケティングスペシャリストというよりはむしろ、”many hats”による運営のスタイルが浸透しているようです。いずれにせよ、戦略の策定やポリシーの管理が非常に重要になってきています。

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■Staffing, cont.

“It demonstrates that agencies offering social media services need to work harder to define their value to B2B organization.”

このデータから言えることは、代理店がソーシャルメディアサービスを提供ためには、B2B企業に提供できる自身の価値を定期付けする必要があるか、それはとても難しい。

“Most B2B organizations will manage social media effectively on their own if such strategy and planning is in place.”

そういったしかるべきところで、戦略策定やプランニングをきちんと行えば、B2B企業のほとんどがソーシャルメディアを有効に利用することができるだろう。

という2文をそのまま引用しました。私が一人の広告営業として毎日考えているところでもあります。

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■Engagement, cont.

B2Bマーケターがソーシャルメディアマーケティングを進めるにあたって、大きな壁となっているのが重役の説得です。調査によると、1/3以上が重役がソーシャルメディアに対してさほど興味を持っていないことがわかりました。対するB2Cではわずか9%。大きな違いとなっています。
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■Obstacles

こちらも非常に参考になるデータです。ソーシャルメディアマーケティングを実施するにあたって社内で想定される障害は何ですか?という質問に対し、B2C企業では、ブランド価値の維持やコンシューマーからのネガティブなフィードバックを最も懸念しているのに対し、B2B企業では重役の説得が一番の障害になっているようです。
B2Bの世界では、それら企業のブランドは狭く深く認知されているし、マーケター自身がダイレクト販売というよりは、複雑でコンサルタント的なセールスに参加していることを考えるとB2Cほどネガティブなフィードバックに(比較的)懸念していないことも、なるほどと頷けます。

つまり、B2C企業、B2C企業がソーシャルメディアマーケティングを実施するためには違ったそれぞれ違った角度からアプローチする必要がある、ということですね。

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■Mesurement

最後に、ソーシャルメディアに取り組むにあたって最も捉えにくい問題の一つ、どのようにして計測していますかという質問に対して、B2B企業においては1/3が計測していない、
との回答。対するB2Cはわずか10%に留まりました。著者らが言うには、B2B企業のマーケターたちはソーシャルメディアを利用することで、継続的にエンゲージメントを高めていくことに価値をおいているため、即座に反映できるROI計測にそれほど固執している訳ではない、としています。う〜ん、ここはどうでしょうか。企業によりけりでは?というのが私の正直な感想です。
そして更にいえば、Direct ROIがどちらも10%強であったことに少し安心した次第です。
新しい価値をどう創造していくか、私にとっての大きな課題です。

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■Conclusions
Our survey revealed a B2B landscape in which social media plays a significant and ever-growing role in the marketing arsenal, but one which is in no danger of supplanting traditional tactics.

この調査によってわかったことは、ソーシャルメディアはB2B企業のマーケティングにおいて、今後も重要な役割を果たし続けるということです。そしてそれは従来のマーケティング戦略に新しく取って代わるものでもありません。

最近になっていろいろな文献を読みあさるようになりましたが、私もこの意見に賛成です。
今回も私が一番勉強させてもらいましたが、何かのご参考になれば。
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