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出張ヒアリングの仕方

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どうも。妹尾です。
明日夜から出張で神戸に行きます。
用事そのものは月曜からなのですが、午前からの用なので、前泊で行きます。
今回の出張の目的は取引先代理店に対してのヒアリングです。
主宰は業務部門で、業務部門が打った施策の効果や立ち上げ時における定着活動等を確認しに行くのに、IT化を担当した自分に「付き合ってくれないか?」というオファーが来たので行くことになりました。

今年は例年に比べると比較的出張づいています。
4回目、かな。一般的にはそれでも少ない、と思いますけど。
第一回のブログで、「国内営業部門向けのITコンサルタントのような、業務コンサルタントのようなことをしています」と書きました。うちの部署がだいたい60名前後いる中で同じような役責にあるのはだいたい10名弱、ってところでしょうか。残りのメンバーは維持(といってもプログラミングとかする訳じゃありませんが)もしくはIT化したシステムの活用推進を行っています。また、国内営業部門向け、というのももう少し正確に書くと、自社及び取引先代理店の双方があります。だから、システムの活用推進を行う担当は、昨年ぐらいまでは比較的取引先代理店に近い所に位置する事業所に席を構えていたり、東京から出張をしたり、ということをやっていたので、うちの部署でもうちのチーム以外のメンバーは平均年30回ぐらい出張しているんじゃ無いでしょうか?

以前に居た会社では、そういうチーム分けがあまり明確で無い、というか人数も少なかったので、自分で決めて自分で作って自分で出張して活用推進、みたいなのが多かったのですが、今の会社では良くも悪くも、分業で業務遂行しています。

このブログを書かせていただこう、としたきっかけの一つとして、「要件定義や仕様決定の進め方を皆に伝承してくれ」というのをうちの社内で色んな人から有言もしくは無言のプレッシャーで受けている、というところがあります。自分が何か特別なことをやってきた訳でも無いので、そんなに人に語れるような何かがある訳では無いのですが、あまりにそう言われると何か書いてみようか、という気になってきました。ただ、いやらしい言い方ですが、社会人になってから自分という個人が蓄積してきたことを今の会社という閉じた世界の中だけ(しかも正確には今の部署だけ)に公開するのもつまんないな~、とか思ったので、ここに書くことによって、その伝承資料も兼ねてしまおうかな?と考えている次第です。

・・・もし「そんなん人に伝える気か?」とか言う指摘や「もっとこういう考え方もあるんじゃない?」というアドバイスが入ってきたら、それは自分の糧にもなるし、って他力本願なところもありますが(苦笑)

だから、その手の記事の場合は、「クライアントの言葉に傷つくことのあるSIの方や、SIの言葉に何か騙されているような気がしているクライアントの方へ」というテーマとはちょっと違ってくるかもしれません。それはご容赦下さい。

早速ですが、明日から出張に行くこともあり、今回は「出張ヒアリングの仕方」について書いてみたい、と思います。

過去数十回と人のヒアリングに付き合ってきたのですが、なかなか「この人の聞き方は上手だな」と思える人に出会ったことがありません。

・一方的に聞きたいことをまくし立てる
・聞きたいことを極めて機械的な順番で聞いていく
・相手が何言か言った途端に書き留め始め、相手がその書いているのを待ってくれている時間が長い
・(自分が進めていることの反対意見を言われて)ムキになって反論し始める
・相手に伝わるかどうかを別にして、自分達が日常業務で使っている用語を多用する
・相手にヒアリングしたい内容から相手の話が脱線し始め、そのまま脱線したまま終わってしまう
・(ヒアリングが終了した後)(脱線したまま終わったことを)相手が非協力的だった、と愚痴る
・・・とかとか。

出張や外出すると、ある意味”移動”という行為を伴うので、その”移動”をするだけで仕事をした気になってしまう人も多いように見受けられます。逆に会社が旅費等出してくれている、というのに、そんな陳腐な結果で終わったら下手したら”背任”じゃ無いか、と自分は思ってしまったりします。

出張ヒアリングの特徴、良さってどこでしょう?ただ聞くだけなら電話で十分。今どきならメールでも十分かもしれません。それをわざわざ出向いてまで行く意義には「相手の表情が読める」、「こちらの表情を出せる」ことだと思います。つまり、相手がその意見をどんな表情で言っているか、まだその発言に遠慮があるのか、関連する事象について興味があるのか、こちらの設問がよくわからずその人なりに設問の意図を考えた上での発言なのか、等々の単なる言葉以上の情報を得ることができるからこそ、相対してヒアリングする意味があると思うし、発言してもらったことに対する某かの反応をこちらが見せることによって、その発言そのものに意義があることを感じてもらうことだと思うのです。

それに多くの人が勘違いしていることとして、「ヒアリングで行く、と伝えているのだから、自分の聞きたいことを答えるよう、業務として受け止めてくれているはずだ」ということ。あくまでヒアリングされる側としては単なる”協力者”であり、自分の業務に付き合ってくれる人では無い、と考えるべきだと思います。これを意識せずして一方的に、また機械的に一問一答を繰り返していたら、それは「ヒアリング」じゃなくて「尋問」じゃないか、と思うのです。
だいたい、友達同士や恋人同士でも、自分の思うような話の展開ってできるのでしょうか?きっと日常の会話でも話はどんどん違う方に転がっていくものだと思います。いろんな話に転がっていくから相手の本音や考え方なんかが引き出せるんじゃないでしょうか?
だからこそ、相手の発言を聞きながら、自分のヒアリングしたい所に合わせるために、どんなつなぎを入れるか、別の話を振ってみるか、等の工夫が必要になります。そのためには当然ではありますが、ヒアリング相手の置かれている環境等を理解できるようにしておく必要もあるでしょう。

案外、つなぎで入れた話や(ヒアリング予定に無い)別の話を振った結果が、自分の仕事の今後のヒントになるようなことも多々あるもんです。

「今度、ヒアリング行って来ます」って人はそういったところを念頭に置いて行動してみて下さい。
(・・・って今回は完全にうちの会社の人向けになってるなぁ・・・。すみません)

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