政務調査費の処理を企業に当てはめてみると
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政務調査費の目的外使用に関して、いろいろな自治体で問題になっています。視察旅行といいつつ、慰安旅行であったり、事務所の費用にあてていたり、さらには偽造領収書によって経費精算していた例も報告されています。
マスコミ経由での情報収集ですので、多少のバイアスはかかっていると思いますが、問題点としては
- 政務調査費として支出を認めるものが解釈によって異なっていて、明確な基準が無い
- 政務調査費に関する領収書添付義務が無い(またはある一定金額以上になっている)
- 費用の使用状況に関して、領収書を含めた開示が行われていない自治体がある
- そもそも前払いで清算する形をとっている自治体が多く、発生都度清算では無い
といったことが不正の温床のようです。
一般企業にあてはめてみると、給与の他に一応目的らしきものがある経費を一年分一括で渡して、年末に清算するものの領収書が無くても清算でき、かつどのような用途で経費計上したか税務署には報告しなくてよい、といった感じでしょうか。これほど一般との感覚が異なる世界も珍しいと思います。企業経験者、実業経験者も多数いるはずの地方自治体ですが、結局のところ政治の世界に入ると利権や自分のお金のためだけに制度や仕組みを作るようになってしまうという証だと思います。
また、問題になった場合でも、ルールを決めることも議会で行われるため、抜本的には解決されません。問題点を明確にし、短絡的にあるべき姿を定義すると。すると、ルールを決め、発生都度事後清算し、すべて領収書を添付し、それを開示する対象とする、という単純なことを実行すればよいだけです。しかし、これができないことの背景には利権を守るための構図が議会にも働きます。
参議院選挙では、どの党も自分達こそ国民と同じ視点で改革を行うと言っていますが、地方自治体では、どの党でも同じようなものだと思います。やはり、日本では政治にはモラルも、きちんとした事情能力も持ち得ないのでしょうか。
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