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マーケティングを戦争論にかぶせてみると

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本屋さんで表題に惹かれてつい買ってしまった本の中に「マーケティング戦争」という本があります。

旧来から、マーケティング論や経営戦略論を論じる内容のものには、クラウゼヴィッツの戦争論や孫氏の兵法などを下地にして、その上に実際のケースで理論証明を行うものが多くありますが、この本もそのような流れのはしりのようで、すでに20年前位の本だそうです。

しかし、内容を見てみると、マーケティングというよりも、戦略論としての基本的な考え方をきれいに整理してあります。昨今のマーケティング論は、戦略論ではなく戦術論中心であり、様々な手法や概念を盛り込んでいますが、その一方で基本的な戦略の立て方に関してはあまりきちんと整理されていないものが多いため、ある意味で頭の整理、考え方の整理になると思います。個人的には、すべての考え方には同意できない部分もありますが、マーケティング戦略・経営戦略は基本的に対外的な部分を含め相対的なものであり、状況に応じて戦略オプションは変わってくるという原理原則に関しては、一つの側面から綺麗に整理された内容だと思います

その一方で、事例は時代が変わってしまっているので、ここ10年でビジネスの世界に入った人には???と感じる部分も多いと思います。しかし、それは時代の流れであり、20年前の状態・戦略が時代を経ても機能している例は少ないと考え、戦略の誤謬を再発見する意味での事例であると考えると、それもまたそれで価値のある内容だと思います。

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