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石油に代わるエネルギーは現れるのか

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お正月に「石油 最後の1バレル」を読みました。まだ数10ページ残っていますが、全体的に考えさせられる内容でした。

まず、今使用している石油のエネルギーの消費効率ですが、自動車で車輪を動かすために変換されるエネルギーは本来の採掘された石油から換算すると17%しか有効に使用されていないそうです。単純な結論のみですが、ガソリンは石油の精製結果の1産物でしかないため、その他のものも考えると全体のエネルギー活用効率はさらに低いかも知れません。

その一方で、石油の埋蔵量に対する回収量は30-35%、つまり埋蔵されている石油の3分の2は回収されずに地中に眠る状態だそうです。これには経済的な側面で、採算性が割れた場合には、回収をやめてしまっていることも一因のようですが、実際には採算性を無視したとしても100%には程遠い状態のようです。

このような状況の中で、経済成長を阻害する可能性のある大きな要因は、経済成長の石油への依存度だそうです。びっくりすることに、日本や欧州の一部の国は、経済成長と石油消費量が連動していないため、経済が成長しても石油の消費が伸びない資源面で見た場合に理想的な状態だそうです(大量に消費していることは事実ですが)。

これから何十年石油に依存した社会や経済が続くか解りませんが、エネルギー源としての石油には、そんなに安心していられる状態ではないこと、そして10年というサイクルで見ると大きなエネルギー変革が起こることが予想されることを考えると、これからのビジネスのあり方も含め、将来を考えさせられる内容でした。

(非常に客観的な本なので、注意して読まないと悲観的な状況なのか、楽観できるのか確実に把握できない、頭を使う本でもありましたが、是非ご一読ください)

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