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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

キャピタリストの判断

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キャピタリストは、個人として投資の判断を行う。組織に属して決裁手続きを経ることがあっても、あくまでも個人の判断が最初にある。事業環境やビジネス戦略は自ら思い描くものであり、経営陣に対する評価は好き嫌いが影響する。起業家と同じ視線に立ち共感度の高いサポーターのような存在である。孤独な起業家には精神的な支えになる。

他方、合議制の中で意思決定を行う日本的ベンチャーキャピタルでは、会議のための資料作りを行うサラリーマンが活躍する。投資検討先を多大な資料請求で鍛え上げ、起業家に対して株主(資本家)としての地位を早々に確立する。資本主義の理論に従い、主従関係を強要する。起業家はオーナー社長の心地良さを放棄しなければならない。

先の見えないベンチャー業界では、一般的にどちらがいいとは言い難い。結果がすべてであり、同じような結果であれば、好きな方を選択すればいい。自分本位に考えるのではなく、利他の精神に基づくのがビジネスの成功法則だと思う。

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