けもの道を走ろう!
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梅田望夫さんの「ウェブ時代をゆく」で触れられた「けもの道」に関する本です。
「ウェブ時代をゆく」では「高速道路とけものみち」という比喩を使っている。IT時代はテーマと自由時間さえあれば高速道路に乗って一気に最先端の近くまで行くことができるし、一方で組織に属することなく好きなテーマを追いかけながら今まで誰も歩かなかった「けものみち」を行くと、それで飯が食えるようになる可能性を描き出していていて若い読者に勇気を与えている。(2ページ)高速道路は渋滞すると膨大な時間がかかりますし、そのイライラ感は大変なものです。インターネットによって、あらゆるものが繋がっていることで、「けものみち」でも食える可能性が広がったことは、より人間らしく生きる選択肢が増えたと言えるでしょう。
モノにならない人は、才能が足りないのではなく、自分がやるべきことに対する突っ込みや追いかけが足りない。自分が持っている力を分散せず、1つのことに集中する。仕事でも趣味でもライフワークでも何でもいいから、根気よく続ける。ほとんどの人が継続できていないから、自分が「続ける人」になれば必ずオンリーワンの存在になれる。(24ページ)選択の自由が与えられているために、根気や継続がなくなっているのが現状だと思います。モチベーション論が流行るのも、その現れであり、愚直に続けることが、自らの価値を高めていくことになると思います。
私は30歳になったとき、自分には特別な資格もセンスもあるわけではないから、「自分の能力を高めていくためには足元の仕事をコツコツとやっていくしかない」という決意を固めた。(62ページ)時代の環境もあるとは思いますが、「・・・しかない」という決意が良い意味での分岐点になると思います。
集団の中心人物になるには、雑用をするのが一番だ。周りの人が嫌がる仕事を率先して引き受ければ仲間の信頼を得られる。雑用はカネを支払ってでもやるべきだ。(76ページ)集団の中で信頼を勝ち得る手段はいろいろとあると思いますが、他人の嫌がる仕事を引き受けることは、影響力の大きいことだと思います。
辛口の批評で人気があった小林秀雄は、「実行をはなれて助言はない。そこで実行となれば、人間にとって元来洒落た実行もひねくれた実行もない。ことごとく実行とは平凡なものだ。平凡こそ実行の持つ最大の性格なのだ。だからこそ名助言はすべて平凡に見えるのだ。」(94ページ)
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