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デザインの深読み

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とっても面白い本でした。

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デザインの深読み

70年代に比べて、マーケターの立場が強くなったといえる。先鋭的なデザインが受け入れられない可能性は高い。(中略)しかし、いまの消費者が求めているものだけでは、未来のニーズを開拓することはできないだろう。(11ページ)
プロダクトアウトとマーケットインは、二者択一なのではなく、バランスの問題だと思います。作れば売れた時代の反省から、マーケットインが重視されて来ましたが、成熟市場では作り手の提案力が求められていると思います。そういう意味で、コンセプトアウトの重要性が増していると思います。コンセプトを伝えるのは、何よりもデザインだと思います。
消費者が商品を選ぶのは、売り場で見た瞬間から3秒程度だそうだ。(中略)この間に消費者の心をとらえるには、パッケージ・デザインは重要だ。(22ページ)
パッケージ・ネーミング・色がデザインの要素だとすると、デザインとマーケティングの境界はとても微妙なものになります。
最近のデザイナーはいきなりコンピュータの画面に向かって作業をしている。もっと本当に見ること、触ること、感じることから始めなくては、モノ作りはできない、と僕は思う。試作、実体験、改良、言葉にできない「心地」の磨き上げ。そんな作業の繰り返しでしかあのカタチは生み出せない。(34ページ)
まずはじくっくりと見ることなど、五感で感じることが重要なのだと思います。モノ作り、カタチを生み出すことは、人間の内面を磨き上げることが欠かせないようです。
設楽さん(ビームス社長)はビームスをブランドとはとらえていない。店舗という形を取っているけれど、真剣に選び抜いたもので埋まった雑誌のような存在だと思っている。(38ページ)
セレクトショップの基本は、雑誌の編集に通じるところがあるようです。
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