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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

朝令暮改の発想(1/2)

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「基本の徹底」と「変化への対応」を説かれる鈴木敏文氏の最新作です。

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朝令暮改の発想

成否をわけるのは、どれだけ的確に変化をつかめるか、変化対応力の有無です。(4ページ)
ダーウィンも、「強い者ではなく変化に対応する者が生き残る」と言っています。
知能指数的な優秀さよりもはるかに重要なのは、一人ひとりがどのような考え方で仕事に立ち向かっていくか、その人の仕事の取り組み方です。(22ページ)
転職時代に若い人はスキル偏重に陥っていますが、本当に大切なのは仕事に対するスタンス(姿勢)だと思います。
いまの時代、挑戦しないかぎり、成功はありえません。挑戦しようとしない人は仕事をする気がないのも同じです。(27ページ)
ベンチャー企業に入ってきた人でさえ、リスクが気になり挑戦をためらうことがあります。挑戦しないのは、志がないことを証明することでもあり、やる気なしと評価されても致し方ない面があります。
「真の競争相手」は同業他社ではなく「絶えず変化する顧客ニーズ」である(48ページ)
意識すべきは、競合ではなく顧客です。ビジネスを戦争に例えて、戦略を競合に勝つための方策とだけ考えていては、顧客満足とはかけ離れたところで、サプライヤー同士の不毛な戦いが続くことになります。ベンチャー企業の勝機は、全くの新規分野だけではなく、そういう顧客無視の業界にもあります。
売り手にとって都合のよいことは、買い手にとっては不都合なことが多く、買い手にとって都合のよいことは、売り手にとって不都合なことが多い。(中略)買い手市場において問われるのは、売り手がいかに買い手の都合に合わせていけるかどうかです。(64ページ)
買い手の都合を忘れた売り手の横暴は長くは続きません。昨年の食品偽装の問題は買い手不在の発想でしょうし、メディア企業の暴走も本当に買い手(視聴者)の都合を考えていない証左だと思います。
真のプロフェッショナルとは、過去の経験をその都度否定的に問い直すことのできる人です。(70ページ)
成功体験から脱しきれるかどうかが、本当のプロかどうかを決めます。「代表作は?」という質問に対するチャップリンの答えは、”NextOne”でした。
次々と立ちはだかる壁を突破し、小口配送を始めとする前例のない仕組みを実現することができたのは、素人集団が既存の業界の常識や慣習にとらわれずに知恵を出し、挑戦していったからです。それが素人の強さです。(71ページ)
リソース不足のベンチャー企業が勝つための手段が見事に書いてあります。業界の常識や慣習をくつがえすことで、リソース不足が強みになります。ネット証券が勢いを増すとき、実店舗は足枷にしかなりませんでした。
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