ダイバーシティに必要なのは、エンパシー(共感能力)
先週金曜日、早朝から星野朝子さん(日産自動車(株)執行役員市場情報室長)の話を聞きました。タイトルは、「異能の時代 ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」というもので、特に共感能力(エンパシー)に関する話は、とても面白かったです。
#マリコさんはじめ、面識のある方も参加されていました。
最近、よく聞くダイバーシティに関しては、「従来とは異なる考え方や価値・意識を受け入れるだけの許容力を企業革新の一つの原動力に変えること」という経団連の定義が紹介され、社会貢献ということではなく、競争優位を獲得するための経営戦略として、日産は位置づけていることを明解に語られていました。具体例としては、ラインで働く女性比率を上げることで品質が向上することやディーラーの販売員の女性比率が上がると顧客満足度が上がる例が紹介されていました。
また、現代は共感マーケティングの時代であり、共感能力(エンパシー)の重要性についても説明されていました。エンパシーは、「波長合わせ」、「共鳴」、「伝達」という3つの能力から構成され、自分と異なる価値観の人の考えを理解できるスキルであり、自分の好きな人にしか生じないシンパシー(同情)とは異なるものである、とのことでした。共感能力こそ、ダイバーシティマインドと呼べるものだと思います。
ポイントとしては、アドバイスや自分の判断を押しつけるのではなく、相手の言葉をリフレーズして相手から答えを引き出すことが挙げられていました。私の仕事で言えば、投資先の指導において自主性を重んじていることに近く、とても共鳴を覚えました。
共感能力を高める日常的な方法としては、1.映画・ドラマの主人公になる(自分と異なる人物になりきってみる。例えば、となりのトトロのトトロとか)、2.自分自身をよく知る、3.待つ態度、4.観察する等々が挙げられ、最後に出てきたのは、
「できません!」と言われたら、「何故?」と聞き返さないこと。
「何故?」の代わりに、何と聞けばいいかは、コメントをご参照ください。
具体的で分かりやすい講演で、早朝からいい刺激を受けることができました。