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ベンチャー企業の成長について、現場で思うこと

構想力

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谷川浩司さんの「構想力」(角川oneテーマ21)を読みました。羽生さんや米長さんなど、棋士の方の文章は、簡潔なメッセージで心に残るものが多く、とても刺激を受けました。

「悪いときほどしっかりと自分と向き合うことが大切だと思う。自信はそうすることによって生まれる」(38ページ)
向き合いたくない時こそ、自分と向き合うべき時であり、そのことが本当の自信を育みます。

「現状はやや悲観的に、将来は楽観的に考える」(55ページ)
単なる楽観主義ではなく、現状には注意深く接することが重要です。大胆にして細心であれ、に通じるところがあります。

「知識・経験・個性・流れから浮かんだ直感は九割正しい」(58ページ)
羽生さんは、第一感は70%正しいと言っています。

「先入観というものが、われわれ人間の発想をどれだけ邪魔しているか」(72ページ)
「なにが常識かはつねに変化しているのである。だからこそ、それにとらわれてしまうのは自殺行為に等しい」(86ページ)
先入観や常識から抜け出すことが、重要です。

「先が見えない時代だからこそ、大局観を持つことが必要」(98ページ)
先が見えないからこそ、俯瞰する態度が必要です。

「集中力を逸らしてみる。そうすることで、逆に集中力が高まる」(103ページ)
集中力を高めるには、息抜きが鍵を握ります。

「礼儀やマナーに気を遣わない人間は、絶対に強くなれない(中略)なぜなら、礼儀やマナーとは、(中略)他人に対する想像力である。周囲に対して想像力が働かない人間が、対局において想像力が発揮できるはずがない」(128ページ)
亀田一家に必要な考えでしょう。

「なまじ記憶が残っているとそれが先入観となって新しい構想は生まれにくくなるし、脳の容量がいっぱいでは新しいものを取り入れることはできない。(中略)その意味で、忘れることは決してマイナスではないのである。むしろ、それだけ脳の空き容量が増えたと考えるべきなのだ。」(156ページ)
空の状態を作ることが、新しい価値に対するいい吸収力を生み出します。

「そもそも手取り足取り教えるのは、(中略)意外と楽なものである。(中略)一定のところまでは比較的早く到達できるかもしれないが、オリジナルの発想やイメージを湧かせ、先を読んで未来を切り開く力、すなわち構想力は身につかない」(178ページ)
投資先の支援も現場担当者の自主性を重んじています。

谷川浩司著「構想力」(角川oneテーマ21)

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