リビングデッド
投資家にとって、一番厄介な投資先は潰れない企業である。伸びる見込みがあれば、潰れない粘り強さも評価できるが、省エネ経営で将来への投資を行わなくなると、伸びる可能性もなくなり、ベンチャー企業にとっては意味のない「身の丈経営」が横行する。
「リビングデッド」な会社が始末に負えない件について
打率3割で上出来と言われるベンチャー投資において、投資先が潰れることはよくあることであり、破産や民事再生で清算してしまえばそれ以上、手間はかからなくなる。選択と集中によるリソース集中は、ベンチャーキャピタルにこそ必要なことであり、リビングデッドを多く抱えていては、有望な企業に使う時間が少なくなってしまう。
数億円の資金調達に成功した企業も赤字が続いていくと、資金が減っていき、製品やサービスを売ることよりも株券を売ることが本業になってしまう。早期に黒字化させるプランもなく、資金調達を続けることは、にせ札を刷っているようなものである。自らの報酬を減らすことなく、赤字を垂れ流しているのは、ベンチャー起業家の姿勢ではない。単なるサラリーマン経営者である。必要なのは、成功への意志であり、資金はすべて将来のための投資につぎ込む覚悟である。立派な事務所で悦に入るのは、きちんと事業が黒字化してからにして欲しい。増資資金が事務所移転に費消される愚は繰り返して欲しくない。
2000年スーパーボウルのTVCMは、ネットバブルの象徴として語り継がれている。きちんと考えている企業は、十分な収益をあげてから、マス広告を利用しているし、経費節減の努力は継続している。
紙が消えた日
椅子について
ベンチャーキャピタルの資金は、預かりものの貴重な資金である。使い道に関しては、未来につながることだけに使って欲しい。その有難みが分かった経営者ほど、きちんとして経営ができる、立派な経営者である。