GREE騒動
GREEが荒れているようです。運営側がアバターの使用を強制したところ、反対運動が起こり、社長や社員に対する誹謗中傷コメントや写真の無断掲載が行われた。その反対運動に対し、コメント削除や退会処分を行ったため、運営側に対する批判が高まり、10件以上の反対コミュニティが開設され、「強制アバターは嫌い!!アバターと顔写真の共存が良い!!」「アバター強制表示断固反対」などのコメントが並んでいるとのことです。
荒れるケータイコミュニティ--GREEアバターをめぐる騒動
ネット上のコミュニティは、フラットな関係性のもと、平等な個人各自の自主性を活かし切ることが重要だと思います。従って、運営側の(一方的な)ルールは最小限であるべきであり、秩序を保つために最小限必要なことを目立たせずに染み込ませることが必要です。また、途中でのルール変更は大きなユーザメリットがない限り避けるべきであり、運営側は無色透明感を保ちたいものです。
そういう観点から考えると、記事にもある通り、初期設定が貧困(そのままではみっともない)、お金がかかる(GREEの金儲け)等々、ユーザにとってのデメリットが目立ち、メリットはお金をかけてアバターに磨きをかけないと得られず、ルール変更に共鳴は得られにくかったと思われます。
また、事前告知の不十分さや社長の傲慢とも取れる発言があり、反対運動に拍車をかけたものと思われます。Newsingの事件でもそうでしたが、丁寧さや配慮を欠く運営責任者(社長)の発言には、ユーザは敏感に反応します。サイトサービスに対する満足度の高さが過大な期待を育み、その高い期待度とのギャップの大きさで大きな反応が起こります。
田中社長の9月11日のエントリー「アバターについてそろそろ言っとくか」の中で、「アバター、超面白い。相当、面白い。今日も2000円使いました。アバターのこの面白さを知らない人がいたら、声を大にしてお伝えしたい今日この頃です」と書いてあることに対し、「GREE利用者を馬鹿にしてるとしか思えない」「あなたにとっての2000円は安いかもしれませんがあたくし達にとって2000円という金がどれだけ大切のものかお考えになったコトがおあり?」とユーザーの反感を買ってしまったのは、当然の帰結だと思いますし、アバター使用強制の前フリだと捉えられれば、社長への攻撃が起こっても致し方ない部分があるように思います。
田中社長自身は、今回の騒動の問題点(個人の誹謗中傷などが多く書かれてしまった点、意図とは違う噂が流れた点)を挙げていますが、根本はサイト運営者に対する信用低下が招いたものだと思います。サービス事業は、ユーザの高まる期待とのマッチレースです。ユーザの期待度が高まる以上にサービスの質に磨きをかけていかなければ、ユーザの満足度は低下していく一方です。最小限の見えないルールをうまくコントロールしながら運営者の思いを伝えつつ、ユーザに楽しく使ってもらおうとするネットコミュニティのサービスは、運営に繊細な心配りが求められているようです。
その意味でブログ炎上の後、真摯な態度を貫いているNewsingの上原社長とは好対照な感じを受けます。その違いが、個人的な誹謗中傷コメントや写真の無断掲載にまで及んでしまった背景にあると思います。
MIXIのデザイン変更に関しても、ユーザ軽視の意見があります。
ミクシィデザイン変更で大混乱 ビスタもマックも使えない!
ユーザのお蔭で成長した企業が、ユーザ視点を忘れるという指摘もあります。
ユーザーのおかげで成長した企業がユーザーを忘れる
季節の変わり目で、人間の精神は不安定になりやすい時期です。そういう時にこそ、本当にどういう思いで日々のサイト運営をしているのかが露見するのかも知れません。
(追記)
具体的な解決策として、とても参考になる意見です。
mixiもGREEも、コミュニティ運営は難しい?