国防総省がクラウド構築
米国の国防総省がGoogle App Engineをまねたようなプライベートクラウドを構築して、サービスを始めたそうです。
国防総省の情報システム全体を管理しているDISAのGaring氏は2年前にMicrosoft、Amazonを訪れてその構想をひらめいたそうです。RACE(Rapid Access Computing Environment)と呼ばれるプライベートクラウドは、軍関係の機関のために構築され、昨年10月からユーザーに解放されて試験運用が開始されています。
その中身といえば、基本構成だとおもいますが、1CPUと1GBメモリーそして50GBのストレジからなり、ソフトウェアはLAMPでWindowsとRed Hat Linuxで稼動しているそうです。国防ということで当然ですが、国防総省のInformation Assuranceなる標準に則り、きびしいセキュリティー基準を満たしているようです。一月単位の課金で上記の構成では月500ドルの課金です。
国防総省はすでに海軍などでクラウドのサービスを調達する際のガイドラインを早速策定したそうで、このプライベートクラウドはさらに国防総省内の組織でクラウドの採用を加速させることが期待されているようです。
この話を聞いていると、組織のガイドラインをきっちりきめて、それに沿ったプライベートクラウドをいち早く便利に提供することで、組織内のインフラの標準化も自然と行われていくのかなと想像しました。
また、一般企業ではどの程度あるかわかりませんが、この国防の例のように業務分野の特性からセキュリティーを厳しく設定する必要性がある組織では、一般のクラウド事業者ではそのレベルのクラウドを提供できる可能性が少ないことを考えると、プライベートクラウドのニーズが確実にあるように思えます。
2年も前からIT企業と対話してアイデアをかため、世の中でクラウドが騒がれはじめているときに、すでに政府機関でその運用を開始する。こういった新しい技術を積極的にニーズにあわせて取り込む。日本の政府にもそんな姿勢と行動を期待したいものです。