結局は信頼の問題になる by Ray Ozzie
先週、先々週と本当にクラウドまわりは騒々しかったですね。特にMicrosoftのWindows Azureでのクラウド参入宣言。この発表のキーマンが、Bill Gatesの後継者と言われているChief Software ArchitectのRay Ozzieです。
彼のCNETでのインタビュー記事がのっていましたが、そこで彼はクラウドは究極的に信頼の問題だと強調しています。英語での記事のタイトルは、"Ozzie on Azure: It all comes down to trust"。日本語の同じ記事もありましたが、残念ながらOzzieが強調している信頼をタイトルにはしていませんでした。
普通に会社間のビジネスをやる上で信頼は最も大きな柱ですから、こういう表現はビジネスでは特別なものでなくあたりまえのようにも聞こえます。ただ、MicrosoftがGates以降で最大の技術的転換を発表するのに、技術の話ではなく信頼という言葉をその核においているのは意味が深いとおもいます。
Ray Ozzieは、一世を風靡したグループウェアのLotus Notesの生みの親であると同時に、Microsoftが買収したP2PコラボレーションのGrooveの生みの親です。彼の講演を何度か聞いたことがありますが、これらの製品の解説に、決して技術的な特徴を中心にした話をするのでなく、その製品の発想の原点や、必要性、意図といった本質的ものを丁寧に説明する人だなという印象があります。
クラウドという新しい技術とビジネスにとって、信頼が最も大事と感じて、それを実現することを中心に考えているのがMicrosoftだとしたら。Windows Azureがビジネスになる日はまだ先ですが、Microsoftのクラウドの可能性は相当なものかもしれないと感じてしまいます。
ここ何回かクラウドが広がるための要素の一つとして、サービスの信頼度について書いていますが、これが一番大事、とRay Ozzieに言われたような気がしています。