7割の人には高度な内容を教育する必要はないのか
有名ブロガーのちきりんさんの記事が、
また議論を呼んでいました。
下から7割の人のための理科&算数教育 - Chikirinの日記
科学とは、科学教育とはなにか | The Long Wait
「役に立つ知識」としての学問: やまもといちろうBLOG(ブログ)
「ただの知識」だけ学校で教えてもあまり役には立たない - 脱社畜ブログ
ちきりんさんは、中学後半以降ぐらいの高度な数学や理科は
全体の3割ぐらいの人が学べばいいのであって、
それ以外の7割の人には、「生活するのに必要な科学知識」を
教えてほしいと主張しています。
それに対して、いつ何が必要になるかわからないから
子供のころにいろいろ学ばせる必要がある、
知識は体系的に学ばないと意味はないといった反論が出ています。
これらの反論はもっともだと思いますが、
ちきりんさんの主張とはかみあってないようにも感じられました。
ちきりんさんの主張は極論ですが、
結局言いたいことは、興味がない人にいくら教えようとしても
無駄だということだということで、
それは、ぼくもその通りだと思います。
「馬を水辺に連れていけても、水を飲ませることはできない」
ということですね。
ぼく自身の意見としては、理科や数学に限らず、基本的な体系的知識は
小学校もしくは中学校までの義務教育できちんと教えればいいことで、
それ以降は、個人が自分の興味にしたがって学べるようにするのが
いいのではないかと思っています。
もちろん、あとで高度なレベルの教育が必要になるかもしれませんが、
それは、その人が自分に必要になったときや、
興味が出てきたときに学べばいいことです。
例えば、プログラミングに興味を持って学習を始めて、
途中から高度な数学が必要だと思ったら、そのときに学べばいい。
必要性が出てきたり、興味を持ったりしたときなら
モチベーションが高くなるので、学びやすくなります。
重要なのは、そういうときに簡単に学べるような体制を
学校やネットで提供できるようにしていくことではないかと思います。
これからの社会をよりよく変えていくのは
一般的に幅広い知識を身に付けるというよりも
特定の分野で突出的に優れた知識を身に付けた
いわゆる「オタク」と言われるような人たちだと思うので、
そういう人たちをもっとたくさん生み出していくような
教育体制にしていくのがいいのではないかと思っています。