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スーザン・ボイルは二匹目のドジョウなのか

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近頃ネット動画の口コミで話題になっているのが、スーザン・ボイルです。英国のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、「夢やぶれて(I Dreamed a Dream)」を歌って話題になりました。まだ予選の段階ですが、早くもレコード会社と契約の話が出ているとのことです。

スーザン・ボイルには、このチャンスをモノにして成功して欲しいと思います。しかし、2年前(2007年3月)に同じ番組で話題になって商業デビューしたポール・ポッツを思い出すと、今ひとつ素直に感動できないでいます。

予選に出場したスーザン・ボイルは、47歳(当時)の定職を持たない教会ボランティアでした。見た目はぱっとしません。「エレイン・ペイジのようなプロのシンガーになりたい」と言うと、会場のあちらこちらからは失笑が起こります。しかし、歌い始めると、会場の雰囲気は一変、観客は総立ちになります。歌い終わった後は、審査員全員で絶賛します。

人目を引かない容姿、恵まれない経歴、冷笑から感動へ変化、終わった後は大絶賛、という流れが、ポール・ポッツの時とそっくりです。カメラ割りまでほとんど同じです。スーザンが「トゥーランドット」を歌うんじゃないかと思ったくらいです。ポール・ポッツの時に「口コミを狙った新手のプロモーションビデオじゃないかと疑った」と書きました。今回は、あまりに同じパターン過ぎて、どうも気になります。ヤラセとは言いませんが、この番組に”感動の演出のテンプレート”ができているような気がします。

映像と音楽が組み合わさると、相乗効果が生まれます。試しに、映像を見ないで音だけきいてみてください。どのくらい感動しますか。

テレビで放送される予選に出るためには、あらかじめ写真やデモテープの事前審査があると思います。実力はある程度把握できているはずです。番組スタッフに、意図的な演出はなかったでしょうか。「ブリテンズ・ゴット・タレント」が、始まってからの3年間で二度も大きな話題になる一方で、他の番組が話題にならないのが不思議なところです。口コミの裏に誰か仕掛け人がいるのではないかと、穿った見方をしてしまいます。

YouTubeを使った口コミマーケティングが、企業に注目されています。口コミをそのまま信じていいのか、考えてみるくせをつけようと思います。

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