ウクライナが影のIT大国というのは欧米では周知の事実になりつつあります。シリコンバレーでも成功したかったら「東欧で作り、欧米で売れ」というのは標語化しつつあり、数々のスタートアップが東欧に拠点を構えています。その中でも今一番の注目を浴びているのがウクライナです。豊富なエンジニア数とロシアを除いた最大の人口、高いIT技術力、教育レベルが魅力です。
さてIT業界にいる者として誰もが目指すのが「プロダクトカンパニー」になることですが、日本初のITサービス、プロダクトカンパニーで未だに世界を席巻した企業は存在しません。日本人は80年代をピークに「ものづくり」で経済大国にのし上がり、それ以来ゆるやかに衰退を歩んでいるわけですがこれは近隣諸国の中韓諸国などが「ものづくり」で日本を抜き去っている間にもなんとIT技術力でも日本を抜き去りつつあることが一番の要因だと筆者は考えます。中国は世界の工場と呼ばれるほど世界のモノの大部分を製造していると言っても過言でないと思いますが、それに加えなんとアメリカ発のITサービスをことごとく自国で作り出し(模倣し)、しかもさらなる進化を遂げて提供しており、TikTokなどそのうちの何社かは中国国内だけでなく世界にも進出しています。韓国のITサービス、プロダクトカンパニーもオンラインゲーム、SnowなどのAIアプリを中心に世界へ進出する例が増えています。
翻って日本を見ると楽天、メルカリ、ソフトバンク勢など世界進出を狙っている日本初のグローバルITサービスカンパニーは数社ありますが、これらの企業の海外展開はまだ赤字事業が非常に多く、その理由のひとつが「日本のサービスを単に英語化、ローカライズしただけ」にとどまるものが非常に多いことがあげられます。日本で展開されるサービスは日本市場だけに通用するガラパゴス的なものが非常に多く、日本で流行っているものを単に現地語化して海外展開すると確実に失敗します。
これを言うと「アメリカのIT企業はろくにローカライズもせず、アメリカのサービスを現地語化しただけじゃないか」と反論される方もでてくることでしょう。これは根本的に的外れです。アメリカのサービスは最初からグローバルであり、世界がそれを受け入れるべき、という半ば傲慢さの上で提供されています。それを受け入れてしまう国が世界でほとんどなところが日本との国力の差なんでしょう。これはハリウッド映画やマクドナルドなどがそのまま世界で受けてしまう構図と非常によく似ています。日本初のITサービス・プロダクトカンパニーが世界に進出するためには最初から欧米人に作らせ、欧米人に売るべきです。
よく日本企業で多いのが企画、UI&UXデザイン、フロントエンドの簡単な開発は日本や安いベトナムでやり、バックエンドの複雑な部分のみウクライナで開発しようとする事例です。私が顧問をしている日本企業でもこれをやろうとし、試行錯誤の上、結局ウクライナで全部開発しようということになりました。
UI&UXデザインやユーザーエクスペリエンスを軽視するプロダクトは必ず失敗します。これはユーザーの立場に立って考えるというサービスの基本的な部分が日本は致命的に弱いと感じます。日本初のアプリ、ウェブサイト、ITサービスのUI&UXデザインは絶望的にダサくて非常に分かりにくいものが多く、世界で一般的とされているトレンドからも遠く外れており、これはとてもじゃないが世界には受けないな、と思うアプリばかりです。ウクライナは優秀なプログラマ、エンジニアだけでなく「卓越したUI&UXデザイナーの宝庫」でもあります。かくいう私の嫁もUI&UXデザイナーをしています(笑)。
というわけで世界、特に欧米に通用するITサービス、アプリを開発したかったら必ず「企画段階から最後のQAまで全てウクライナで開発する」ことを強くお勧めします。ウクライナは欧米の数々のスタートアップ、ユニコーン企業の開発を全て担った経験が豊富にあり、これはITの本場シリコンバレー、西欧などでも実証済みです。
以上、日本企業が殺到するウクライナ・キエフからのレポートでした!!
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