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紛争やチェルノブイリとは全く別の顔を持つ多数の天才的IT技術者を輩出したIT大国、ウクライナの真実の姿に迫る。

日本出張へ行ってまいりました!2019年9月 前編 柴田裕史

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グーグル日本法人にて友人のシリコンバレー出身アメリカ人の同社幹部と

9月9日から14日までエアフランス・パリ経由で日本出張に行ってまいりました!今回実質終日使えた日は4日だけで早朝から真夜中まで分刻みでスケジュールがびっしり入っている殺人的スケジュールだったため、お会いできなかった数々の皆様にまずお詫び申し上げます。個人的な買い物(食材、電化製品、衣料品、お土産)もたった2回しかできませんでした・・・。

今回30社を超える企業と日本のIT団体を3つ、そして筆者友人のGoogle日本法人のアメリカ人幹部、数々の業界の大物、有名人の皆様にもお会いでき貴重な情報、人脈を作ることができ個人的にもビジネス的にも大成功だったと思います。

今回一緒に行ったのはウクライナ有数のITアウトソーシング企業(キエフ本社)のMobilunity社(モビルニティ)です。彼らとは私が外部顧問をさせていただいているというご縁もあり、ウクライナでのラボ型開発、アウトソーシングを是非とも売り込もうと日本営業のサポートにはせ参じました。

結論として日本企業はウクライナを必要としていると強く感じました。どの会社も興味津々で企業名は申し上げられませんがそのうちの数社は実際のプロジェクト開始に向けて早くもキックオフしています。

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モビルニティ社CEOキリル氏、事業開発マネジャー・アルフィー氏と

あらかじめアポイントを取って会社訪問をしたのですが、英語でコミュニケーションが取れる企業様の多さにびっくりしました。日本企業も厳しい環境の変化にもまれようやく変わりつつあるとここ数年の劇的な変化を感じられました。

今回の日本出張で思ったことと発見:

1: 慢性的IT技術者不足。日本国内ではエンジニアはフリーランスベースで仕事を受注した方がはるかに儲かる傾向にあり、そのための企業と個人事業主エンジニアのマッチングサイトのプラットフォームも充実しつつある。需要の方がはるかに高いのでまず食いっぱぐれる心配はない。(筆者の日本の友人でも日本のIT大企業を辞めてフリーランスで元の給与よりはるかに稼いでいる人がいます) なので日本人エンジニアの革命的意識改革が進んでいる。これはアップワーク、ランサーズの一般化もあり実は世界的な傾向(筆者のシリコンバレーの友人のアメリカ人プログラマーでフリーランスで企業から受注して世界を旅しながら暮らしている人がいます)なので日本企業が生き残るにはオフショア開発しかなくそのためには日本企業は社員の英語力向上に抜本的に取り組むべき。(例: メルカリ、楽天、ソフトバンク)もしこれが大企業だからできることであり、うちは中小企業では体力がないから無理だと思う場合、自社負担で仕様書を英訳し、アウトソーシング・モデルでやるべき。 最低テキストベースでコミュニケーションが取れるエンジニアがいれば(筆者の経験上優秀なITエンジニアならほぼ全員できる)スラックなどでデイリーベースで連絡すべし。それならかなりのアジャイル的アプローチも可能だしドキュメンテーションが充実してなくても開発を進めることが可能。

2: 英語に対してのアレルギーがかなり改善されつつある(上記の様にノーチョイスなので)。中国(と韓国)や日本国内の企業とは日本語でできるがコスト高。ベトナムは日本語コーディネーターが入るが技術について何も知らずコミュニケーションギャップありまくりで結果バグだらけ、仕様誤認で結局作り直す羽目になり最終的に高くついてしまう。単純なウェブフロントエンド開発専門ならいいがそれ以外はダメ。インド人は理数系多少強いができない約束をしまくり結局できない(注:例外もいます)。フィリピン人は基本ロークオリティ。今回色々回った中でほとんどの企業の担当者は英語のみで問題なし。英語力が多少拙くても筆者のフォローそれプラス向こうで英語をわかるスタッフを用意していただいていた。例: モビルニティ社とまわった約17社中、13社はマネジメント、エンジニア、PMなどが英語堪能。残りの4社は英語ができる社内担当を用意していただいていた。英語ができる人が皆無という企業は一社もなし。

あと日本国内に日本語も英語もできるインド人社員などがいて彼らをブリッジにしてエンドクライアントからの全ての発注は日本語でインドへのオフショア開発をしている日本の会社が存在するがとてもレア。まさにこのオフショア開発はブリッジSEとして筆者が外資系金融時代インドと10年以上していた。しかしバグだらけのロークオリティ・システム。筆者個人的にはもうインドとは金輪際したくない。日本国内で日本語のできるウクライナ人社員がブリッジになって全てエンドクライアントが日本語で発注しその日本の受託会社がウクライナでオフショアするというモデルもあるかもだが筆者の知る限りそのような企業の存在は知らない。何十年も日本にいてもブリッジを出来るようなレベルの日本語ができるウクライナ人もしくはロシア人社員はまれ。なので結果、英語がかなり堪能な日本人ブリッジSEは引く手あまた。しかしそういう社員は高給の外資系金融機関、グーグルなど米IT企業に行き日本企業にそういう人材を採用できる見込みは日系と外資の給与金額、待遇格差が理由でまずない。

結論: ウクライナ・オフショア開発が一番バランスがとれている。

ベストプラクティスはアウトスタッフィングモデルで日本のエンジニアかPMが直接英語でやりとりする。テキストベースで十分。(しかし毎日すること)ビジネス&技術仕様書は御社負担で英語に訳してください。これならアジャイル対応も可能。アジャイルで頻繁な仕様変更がプロジェクト中になければ従来のアウトソーシングモデルで日本語仕様書を英語に訳し、丸投げ。完成物を納品。完成物付属のドキュメントは英語なのでエンドクライアントに提出するのが日本語でなければいけない場合、それは日本語に御社負担で訳してください。どうしてもダメなら筆者が知っているウクライナのIT企業で日本語ができる非技術スタッフが社内にいる企業に頼んでよくあるベトナムオフショアラボ型式にやってもいいですがその場合コミュニケーションギャップや翻訳ミスが発生する場合あり。なのでベストは英語で直やり取りすることです。 英語ができるスタッフが社内に一人としていない場合、雇うか残念ですがウクライナはあきらめてください。

今回一番衝撃的だったのは某社がCRMシステムのごく簡単なPHPな社内用海外出張管理システムを期間半年、400万かけて作ったと聞いたことです。日本国内の開発チームで作ったとのことで最初の要件がなかなか定まらなかったことと開発途中でドロップダウンボックスなどのフロントエンドのメニューの仕様がコロコロ変わったことが理由としていましたが筆者の知り合いの開発者なら一瞬でできるようなシステムだっただけにかなり衝撃でした。おそらくウクライナに発注していれば1か月以内、コストもはるかに低くできただろうことは容易に予測できました。ソースコードは見ませんでしたがおそらくスケーラブルになってないぐちゃぐちゃコードなのではと勘ぐってしまいました。
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よくされた質問:

1:うちは英語できる人がいないんですがどうしたらいいですか? > 答え:上記の「今回の日本出張で思ったことと発見」の2番目をよくお読みください。

2:時差はどうしますか? > 答え: 6時間のみ。同じかそれ以上の時差の北米のクライアントも多数おり経験あり 心配無用。

3:コストはどうなんですか? > 答え:これも上記の「今回の日本出張で思ったことと発見」の2番目をよくお読みください。 AI、IoTなどの高度技術者、クオリティの点からベトナムより安くてもメリットあり。

4:そもそもなぜウクライナなんですか? 
>答え:
A)クオリティ( ソ連時代から数学、物理、ロケット科学、原子力産業の中心になっており基礎的理数系教育が大変充実している。プラス企業などのインターンシップや学生時代から個人で仕事を直接欧米から請け負う技術者が多いため若くして非常に優秀。 )
B)コスト (ベトナムレベルではないが中国よりは安い)
C)人材採用のしやすさ( 4-6週で採用までこぎつけることが可能。人口の多さもあり非常に採用が容易。(他の東欧でははるかに難しい) ウクライナは基本1000人を超える大企業以外 以外、大抵プロジェクト開始時に人材市場から人を外部で引っ張ってくる のが一般的) 
D)離職率の低さ( カルチャー、国民性からインド、ベトナム、フィリピンより離職率は低い ) 
E)英語力の高さ(御社が最低限テキストベースでも英語でコミュニケーションが取れることが前提です)
F)税制優遇( 5%個人タックス+従業員でも皆個人事業主扱い(筆者別ブログ参照)なので技術力とモチベーションを常に高く保っている)

5:ウクライナ人って英語できるんですか? >答え: 筆者がウクライナのIT業界で働いて以来英語だけで仕事を全てこなしており言語の問題は0。ウクライナのIT技術者のほとんどはシリコンバレーなどの欧米企業と直で仕事をしており、英語力は非常に高い。
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後編では今回の日本出張で学んだ日本IT業界の課題、展望、解決法について語りたいと思います。

今回の出張のダイジェスト版動画

https://www.youtube.com/watch?v=QG3f7CfF7mQ&t=585s

Ago-ra IT Consultingへのご連絡は下記まで:

HP: https://ja.ago-ra.com/

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