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SOAの課題はテクノロジーじゃないかな

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 最近「SOAはビジネス視点でなくてははじまらない」という声が、さまざまな人々から聞かれる。たしかに、既存のアプリケーション間をまたがる形で、新たなシステム(いわゆるコンポジットアプリケーション)をポコッと構築しようとするわけで、またがった瞬間にその狭間に担当者がいないという状況にもなる。そのため、ビジネスに直接関わるユーザーの視点で考えなくては成功しないということはよく分かる。

 だが、その前の問題として、当然テクノロジーは無視できない。特に、メインフレームベースの基幹システムを、機能単位にサービス化して、Webサービスとして連携させるという話は、パフォーマンスやセキュリティなど多くの技術的な課題が出てくると考えられる。

 たとえば、大企業の夜間バッチのプログラムでは、8時間の稼動で10万件、100万件単位のトランザクション処理を行うことも珍しくない。単純な比較はできないにしても、そうした重い処理をWebサービスで実現できるのか疑問だ。

 3年ほど前、まだ業界のキーワードがSOAではなくWebサービスだったころ、ベンダーが提供する「主要通貨のリアルタイム交換レートが取得できるWebサービス」というデモを見たが、シンプルに見えるこの処理でも、1トランザクション0.5秒もかかっていた。1時間に換算するとたった7200件しか処理できない。もちろん、現在Webサービスの技術が飛躍的に向上しているなら問題はないのだが。

 そのため、ベンダーを取材するときは「Webサービス自体の技術的課題はSOAでシステムを構築する場合にどれだけネックになりますか?」という質問をすることにしている。すると、それまで事細かに自社製品の話をしていた担当者から「Webサービス自体の技術的課題はあるけども、それはインターネットが克服したのと同じように、時間が解決するものでしょう」と、やけに粒度の粗い応えが返ってきてしまう。実際のところはどうなのだろう。

 そんな風に考えたところに、今週はちょっと現実感のある製品を取材した(記事)。東京エレクトロンが米国で「発掘」したというDatapowerというベンダーが提供するハードウェア製品だ。XMLの処理の高速化、セキュリティへの対応など、Webサービスが抱える詰めの甘さみたいなものをカバーしてくれそうな印象を持った。

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