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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

生命保険においての「見直し」の意味【その1】

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「1年更新なので毎年保険の見直しができます」という謳い文句生命保険があります。
通販専用で、加入時の保険料は安く抑えられており「毎年見直せるから合理的」と一部で評価されていたようです。

同じように、伝統的国内生保や一部ネット専業生保の主力商品である10年更新の定期保険についても「10年ごとにライフプランに合せて見直せるので合理的です」と訴求しています。

この更新型における「見直しができる」の意味が今回のテーマです。

「見直しができる」のは嘘ではありませんが、実態は「見直さないと大変ですよ」になります。
どういうことなのか。

更新型におきまして、通常は健康状態によって拒否されることはありませんので、万一病気になってしまっても継続できますが、見直し時期にお約束である"同じ内容であれば保険料の大幅アップ"があり、またダウンサイジングするにせよ様々に規制があります。

1年更新であれば見直ししないと毎年保険料が上がっていきます。
この1年更新モノは「毎年ライフプランに合わせて見直せる」が売り文句なのですが、毎年ライフイベント(出産や結婚など)あれば合理的ですが、普通はあり得ないので無事に経過した1年分の生活費を削減するだけのことになります。

「無事に経過した分の生活保障はその都度削減できる」と聞くと、一見合理的のように見えますが、実は極めて不合理です。

そんなことは保険加入時に分かり切ったことで、はじめから自動的に「無事に経過した分の生活保障は削減」できるようにすればいいだけで、毎年いちいち計算する必要はありません。

また保険料においても、1年更新は毎年リセットするしくみなので長期割り引が効かないので、目先の保険料が安くてもトータルでは「自動的に無事に経過した分の生活保障は削減」に比べると3割ほど割高になります。(更新型でない「収入保障タイプ」との比較)

「自動的に・・」にしても保障の増減は一定範囲内で可能ですので、想定外の出産などの生活の変化には対応できます。

以前にも書いておりますが、伝統的国内生保においては「死亡保障が○○万円以上で入院保障は△△円」など主に特約の付加に関する社内規定が数多く存在しますので、死亡保障を減額すると必要な特約も減額しなければならなくなったり、最悪付加できなくなるケースもあります。
(社内規定は約款にも記載がなく、恣意的にコロコロ変更することが可能なのです)

初めからわかっていることですが、保障期間が60歳、80歳、最大でも90歳などと終着点があり、若いころは意識していなくても年齢を重ねると「どこまで保障が維持できるのか」は大いに気になります。

つまり「見直さないと大変ですよ」となったときに見直さないと、大幅に保険料アップに見舞われ、見直すとしても訳のわからない規制があり、保障期間の限界に気付き・・・・他のもっといいものに切り替えた方がいいな、となってしまうのです。

さて、そこで普遍的な事実が立ちはだかることがあります。
年を取るごとに健康上の理由により生命保険の新規加入は不可、または著しく不利な条件が付加されてしまう可能性も高くなってきます。

そうなってしまったら、現状の保険を無理してでも続けるか、不利な条件で切り替えるか無保険になるしかありません。

これはどう考えても長寿国ニッポンの消費者に合っているとは思えません。
平均寿命が60歳のビジネスモデルが惰性で継続されていて、更新で保険料が上がる前の「見直し」として「転換」を強力に推進して営業担当者に手数料が発生するインセンティブでもたせているようです。

そもそも、最初から「見直し」を前提とする生命保険に加入を勧めるのはどうなのでしょうか?
生命保険加入の鉄則は「状況が変わらなければ見直しは不要」でなけばなりません。
何もなければ一生涯放っておいても大丈夫なものにして、更に何か想定外のことがあり見直しが必要な場合でもスムーズにできるようにする必要があります。

次回に続きます。

 

誠に残念ですが、我長寿国ニッポンの消費者の7割ほどが10年以内の「見直し」を強いられ、最大頑張っても80歳を過ぎると少額の終身保険しか残らない(医療や介護の保障はなくなる)生命保険に加入しています。
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