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ルーヴル美術館はクラウドファンディングのお手本?「マイクロメセナ」

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今回は、いままで紹介したものとは一風変わったクラウドファンディングを紹介します。私が以前このブログで定義した、ものやサービスでリターンをもらう「もの・サービス型」のファンドレイジング・サイトは「クラウドファンディング」と呼ぶのが一般的になりつつあるようですので、このブログでもクラウドファンディングと呼ぶことにします。

今回紹介するのは、アート関連に特化し、個人がアートのパトロンになるためのプラットフォーム「マイクロメセナ」です。以前は「PIECE UNIQUE」という名称で展開していました。運営は、オフィス・ド・アッシュ Office de Hです。

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アートをもっと身近に

マイクロメセナの仕組みは、基本的には他のクラウドファンディングと同様ですが、その大きな特徴はアート関連に特化しているところです。「メセナ」とは従来「芸術文化を擁護する人または人物」を指す言葉らしく、クラウドファンディングにすることで、富裕層ではない一般の人でも少額からメセナになれるというコンセプトだと思います。一般の人でも気軽にアートに携わることができるのは、とてもいいと思います。

リターンは以下がもらえます。

  • 制作の秘密
  • 作品への優先的なアクセス
  • 少し特別なプレゼント(作品の部品)

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ルーヴル美術館はクラウドファンディングのお手本?

運営のOffice de H代表の東出菜代さんによると、オフラインではありますが、パリのルーヴル美術館は、クラウドファンディングのお手本だそうです。

いまやルーヴルはそのエキサイティングな実験の場となり、所蔵作品の修復費をたくさんの個人や企業から集めるなど、面白い試みで成功しています。それはひとりや数社の莫大な資金提供者よりも、多くの名もなき人との「つながり」へのシフトチェンジでした。

カフェのウェイター、学生、会社員、自営業、主婦・・・どんな立場の人も「自分たちなりの芸術との関わり」が出来る。自分のコミットしたお金が、作品をよみがえらせ、新たな作品を生み出す力になり、そしてその作品がまた誰かの心を動かし、語り継がれていく。メセナは、そんな夢に参加するということなのです。これは素晴らしいことではないでしょうか。

確かにクラウドファンディングの仕組みはアート関連に適しているかもしれませんね。

運営サイト側の手数料はやや高めだが……

掲載されているプロジェクトは、本日(4/27)現在3件とまだまだこれからのようです。また、運営サイト側の手数料はペイパル手数料を除き、25%~35%です。同様のクラウドファンディングのCAMPFIREが20%、READYFOR?が16~17%中心、motion garelleyが10%ですのでこちらはやや高めですが、これはアートの作家を育てるためでしょうか。

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