オルタナ定例会レポート「『O2O型社会貢献』の仕組みと考察」
先週の金曜日(1/13)の2012年1月度のオルタナティブ・ブログ定例会にて「『O2O型社会貢献』の仕組みと考察」と題してお話しをさせていただきましたのでサマリーをご報告します。
「O2O型社会貢献」の定義
「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」と「社会貢献」を組み合わせた私の造語ですが、定義を以下のようにさせていただきました。
オンライン(Web)での情報確認・行動が、オフライン(実世界)での社会貢献に結びつく仕組み
- オンラインとオフラインの行動・活動が「仕組みとして」連動していることが前提
- オンラインで情報確認のみをして、オフラインで活動をすることは含めない
「O2O型社会貢献」の種類
- クリック募金(Twitter募金)サイト
- オンライン寄付、寄付プラットフォーム(寄付の仲介)
- プロボノワーカーとNPOのマッチングサイト
- 社会貢献型企業のECサイト
- 東日本大震災関連のサイト
- ボランティアのマッチング
- 支援物資のマッチング
- 被災地の母親への支援
- 被災者のホームステイのマッチング
- 被災者の仮住まいのマッチング
- 農産物の物資支援
- ファンドレイジング・サイト など
「ファンドレイジング・サイト」の定義
「O2O型社会貢献」のなかでも、急増している「ファンドレイジング・サイト」に着目しました。定義は以下のようにさせていただきました。
Web上で多くの人から資金を集める仕組み
- 「クラウドファンディング」「マイクロファンディング」「ソーシャルファンド」「ソーシャルパトロンサイト」ともいう
- 米国では200以上のサイトが存在するといわれている
- 個人間金融(P2P金融)の「ソーシャルレンディング」とは異なる
「ファンドレイジング・サイト」の分類
<運営元による分類>
NPO法人などの非営利団体が運営する「非営利型」
一般の企業が運営する「営利型」
<調達する資金による分類>
事業・プロジェクトなどの資金を調達する「資金調達型」
寄付金を調達する「寄付金調達型」
<「資金調達型」のリターン形態による分類>
分割して返済してもらう「返済(貸付)型」
利益の分配金をもらう「分配(投資)型」
ものやサービスでリターンをもらう「もの・サービス型」
物理的なリターンのない「リターンなし型」
「ファンドレイジング・サイト」の事例
- KIVA(KIVA Japan)「非営利、資金調達、返済(貸付)型」
- ミュージックセキュリティーズ「営利、資金調達、分配(投資)型」
- キックスターター「営利、資金調達、もの・サービス型」
- CAMPFIRE「営利、資金調達、もの・サービス型」
- READYFOR?「営利、資金調達、もの・サービス型」
- Grow!「営利、資金調達、リターンなし型」
- JustGiving Japan(JustGiving)「非営利、寄付金調達型」
- givee「営利、寄付金調達型」
サービスとして根付くにはどうしたらいいのか?
海外でのファンドレイジング・サイトの成功例は多いのに、日本ではまだまだのように思います。日本でもサービスとして根付くにはどうしたらいいのかを議論しました。現時点では以下のようなことが考えられます。
- 集めた資金や寄付の使用目的、支援先を明確にする
- 実際の支援や寄付に使われる金額を明確にする
- 金額は少額からでも支援できるようにする
- どのようにして使われたかをきちんと報告する
- 「資金調達型」の場合は、貸付 or 投資にする
- 自己実現などの目的や達成感が得られる付加価値をつける
- 日常的に継続して訪問し利用する仕組みをつける など
もちろん上記だけでは、「サービスとして根付くにはどうしたらいいのか?」の答えにはなっていません。この件については、このブログでも引き続き考えていきたいと思います。