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「社会貢献が日常になる世界」の可能性を追い求めます!

「いいね!」ボタンと実際にお金を払ってくれる人の間にあるもの

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こんにちは。先日、10/23(日)にNPO法人ETIC.主催の「チェンジメーカー開発会議『「ビジネス」の力で社会課題を解決するために必要な戦略とは?』」というものに参加してきました。

そのなかで、(株)HASUNA 代表取締役社長の白木 夏子さんと、静岡県立大学経営情報学部 助教・慶應義塾大学総合政策学部 非常勤講師の国保 祥子さんとの、

 社会事業をビジネスとして成立させる
  ~HASUNAのビジネス化のケースを用いた参加型ケーススタディー~

というトークセッションがあり、とても興味深かったので紹介したいと思います。

HASUNAは、前回のブログでお話しした「エシカル消費」ができる、フェアトレード素材・リサイクル素材を使用したエシカルジュエリーの制作・販売をしている会社です。2009年4月に創業されたそうですが、「社会貢献はビジネスになりにくい」という壁を乗り越えて、現在に至るまでをお話ししてくれました。株式会社にこだわったのは「NPOではなく、株式会社でもできることを証明したかった」からだそうです。

「0から1にするのは、1を2にするよりもとても苦しい」とおっしゃっていて、社会貢献のビジネスをしていると、いいねと言ってくれる人は多いけど、そこから実際にお金をいただくお客様になってもらうのが凄く難しいという話しになりました。ソーシャルメディアの企業ページで「いいね!」とボタンを押してファンになることと、そこから実際に購入に至るまでの間にあるものと何か似ていますね。どうしたら、その間を埋められるのでしょうか?

彼女自身は、以下の2つのことを心がけているそうです。

  1. ジュエリーとして当たり前のように美しいことと、きちんとした品質
  2. 市場競争に勝つにはどうするのかと常に考え、競合調査を徹底すること

1番目については、一般企業の商品に引けを取らないセンスあるデザインにすることだそうです。以下の画像がHASUNAの商品の一部なのですが、いかがでしょうか?私は男性目線でしかなく女性目線での評価はわからないのですが、少なくとも私が女性にジュエリーをプレゼントする際には、その選択肢の一つにはなります(そのような機会はあまりありませんが)。当然エシカルであるということも付加価値になります。彼女自身は、「ジュエリーの背景にあるものすべてを含めてデザインである」といっていました。

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2番目は、競合他社を徹底分析すること。設立当初は新宿伊勢丹の1Fのジュエリー売り場に毎日のように通ったそうです。彼女曰く、新宿伊勢丹は世界一の百貨店で、売れ筋の商品や出展商品の移り変わりなどを定点観測したらしいです。

「いいね!」ボタンと実際にお金を払ってくれる人の間にあるもの、その答えは当たり前のようですが、一般の消費者が購入してくれるような魅力的な商品をいかに提供できるかにあると思います。逆にいうとそういう当たり前のことに気づいていない、社会企業やNPOなどがいかに多いかということだと思います。たとえエシカル商品といえども、一般の商品と同じ土俵で勝負しなければいけないのです。

HASUNAの商品にはブライダルコレクションとアクセサリーコレクションがあるのですが、ホームページには「愛や感謝、お祝いの気持ちを乗せるジュエリーに、曇りなき晴れやかなジュエリーをお選び下さい。」と書いてあります。

 この泥が あればこそ咲け 蓮の花
 (HASUNAのホームページより)

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