エシカル消費を考える
皆様こんにちは。今回は「エシカル消費」について書いてみたいと思います。エシカル消費って皆様ご存知でしょうか?エシカル(ethical)とは、「倫理にかなった」「道徳的な」という意味で、エシカル消費は、地球環境に配慮したり社会貢献したりすることを考えた「倫理的な」消費活動のことをいいます。
具体的には
- レジ袋を断りエコバックを使う
- 環境に配慮した商品を購入する
- フェアトレード商品を購入する
- 寄付金付き商品を購入する
などの消費行動を指し、このような消費をする人を「エシカルコンシューマー」と呼んだりします。ガソリン車よりもハイブリットカーを選ぶ人もエシカルコンシューマーですよね。
エシカル消費の認知度
では、その認知度はどのくらいなのでしょうか?少し古いデータになりますが、デルフィスエシカル・プロジェクトの2010年3月の「見えてきた次の消費ベクトル『エシカル実態調査報告書』」によると、名称認知率はまだ10%を超えたにすぎません。エコは100%に近く、ロハスも80%を超えていることと比較すると、少し前のデータとはいえ、その認知度はまだまだだといわざるを得ません。
エシカル消費の実践
名称の認知度そのものはまだ低いとはいえ、私たちは普段の生活の中でエシカルな消費を知らず知らずのうちに選択しているというのが実態ではないでしょうか?
身近なところでは、ダノンウオーターズジャパンのミネラルウォーター「ボルヴィック」のキャンペーンなどは皆様もご存知ですよね。ボルヴィックは時期によっては、1ℓの買い上げごとにアフリカに清潔で安全な水を10ℓ供給するという「1ℓ for 10ℓ」というキャンペーンをやっています。日本コカコーラの環境に配慮したボトルを使ったミネラルウォーター「い・ろ・は・す」も有名ですね。ミネラルウォーターを買う際にこのような付加価値は選択の基準に影響してはいませんか?また、森永製菓も「1チョコ for 1スマイル」というキャンペーンをチョコレートでやっています。
このような商品を知らず知らずに買ったり、あるいは意識して選んだりすることで、私たちも少なからずエシカル消費を日常でしていることになります。上記以外にもエシカル消費ができる商品・サービスには、少しあげてみるだけでも以下のようなものがあります。オンラインであったりオフラインであったり、その形態や種類も様々です。
〈ファッション〉
マザーハウス
バングラデシュのジュート(麻)やレザーを用いて作った高品質なバッグを販売
HASUNA
フェアトレード素材・リサイクル素材を使用したジュエリーの製作・販売
Piece to Peace
エシカルファッションブランドのセレクトショップ「PIECE to PEACE SHOP」
を運営
ピープル・ツリー
フェアトレードで仕入れたレディース・ファッションや生活雑貨の通販サイト
〈化粧品〉
ザ・ボディショップ
自然の原料をベースにしたイギリス生まれの化粧品。動物実験をしないなど環境に
も配慮
〈食料品など〉
第3世界ショップ
フェアトレードの食品・ドリンク、衣料品、インテリア・雑貨、ナチュラルコス
メなどを販売
〈その他のサービス〉
イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン
レジ清算時に受け取った黄色いレシートを、地域のボランティア団体名が書かれ
た店内備え付けBOXに投函すると、購入額の1%分が選んだ団体に還元されるとい
うシステム。毎月11日に実施
JR東日本リテールネット
駅構内のコンビニエンスストア「NEWDAYS」で寄付付き商品を販売
TABLE FOR TWO
社員食堂で対象と成る定食を購入すると、1食につき20円がアフリカの子供たち
の給食費になる仕組み。社員食堂以外にも学食、カフェ、ネットスーパーやコン
ビニの食品などへも展開
セディナ(OMCカード)
多くの寄付機能付きクレジットカードを発行。関心のある問題に対応したカード
を選び、ショッピングで使うだけで一部が自動的に寄付される仕組み
オリコ
「社会貢献カード(乳がんのピンクリボカード、地球環境保護のMOTTAINAIカー
ド)」は、利用額の0.5%が支援先に寄付される
エシカル消費の可能性
名称としての認知度はまだ低いエシカル消費ですが、すでに私たちの生活の一部になりつつあり、今後はエシカルが企業の好感度形成・商品選択において大きく関与し得るようになると思います。
現時点では情報が不足していますが、エシカル意識の高い一部のエシカルコンシューマーから一般のコンシューマーへと消費の裾野が広がれば市場のポテンシャルは非常に高いことが想定されます。また、企業においてもビジネス活動の差別化要素に成り得ますので、エシカルな商品・サービスの品揃えも今後は増えて行くことが期待されます。
エシカル消費の課題
今後の可能性を秘めているエシカル消費ですが、現時点では私は以下のような課題もあると思っています。皆様も同じようなことを感じてはいませんか?
- 特定の商品、場所、期間(キャンペーンなど)でしかエシカル消費ができない
- 寄付や支援金が「どこに」「どのようにして」「いくら使われたのか」がわかりにくい
- 洋服・バッグ・ジュエリーなどはデザインが魅力的なものが少なく普段使いには利用しにくい
私はいま、上記を解決するようなビジネスモデルを考えています。現時点では細かくは書けませんが、いつか紹介できればと思っています。
エシカル消費はいろいろな要素を含んでいて、商品・サービスにもたくさんの種類があります。とても1回のブログでは紹介しきれませんので、今後も継続してお話させていただくつもりです。