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変化するコミュニケーションの形

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 佐藤@IT雑貨屋です。

 近年、人々のコミュニケーションの形というか、利用しているツールは大きく様変わりしています。先日(2022年12月)、NTT東日本では以下の事を発表していました。

 固定電話の IP 網移行後のサービスについて

 私が若い頃、そうですねぇ。。Windows95が出始めた頃ですが、当時インターネットを使う為には家にある電話線に56kbpsのモデムを付けて、テレホーダイを申し込み、夜中になってネットを徘徊していました。プロバイダにはPPP接続で行い、アナログ電話回線を利用していたんですね。だからテレホーダイにしていないと、通話料も馬鹿みたいな高い料金を取られてしまいます。

 また当時は携帯電話も普及が始まったばかりで、確か私は当時、東京デジタルホンの携帯電話を利用していましたが、こちらも今から考えると通話料はそれなりに高かった記憶があります。

 Windows95でインターネット接続はかなり容易になりましたが、そんな感じでしたので電子メールで連絡を取り合うというのは、リアルタイム性に欠けるもので、連絡を取り合うのは基本的には電話もしくは携帯電話を使用していました。

 当時の社会では、一人暮らしの場合には固定電話が必須でした。履歴書に携帯電話の番号を書いた場合「家の電話番号を書いてください」と言われていた時代で、要は携帯電話に対する社会的な信用度も低い時代だったんですね。

 2000年を超える頃から、確か駅頭で「Yahoo BB」がADSLモデムを無料配布していて、その端末を家の電話機とローゼット(アナログ電話の局側の口)の間に入れると、高速でインターネットも利用できるし、電話料金も安くなるという触れ込みをしていて、いわゆるADSLによるブロードバンド化(インターネット接続の高速・定額化)とIP電話が急速に普及し始めました。

 当時、私は遠隔地の人と付き合っていて、電話代がバカにならないと感じていたので、このIP電話の普及には大いに期待を持っていました。何故ならそれまでの電話料金は、通話相手の距離と時間で決まっていましたが、IP電話ではそれが距離に関わらず定額となり、結果、通話料金もかなり安くなるからです。ただしこの頃のYahoo BBの電話は、良く音も途切れたりして、品質的にはかなり問題もありました。

 またインターネット接続についても、テレホーダイとは異なり定額で、しかもつなぎっぱなしに出来る事も驚きました。これでOUTLOOKを立ち上げておけば、ほぼリアルタイムでメールによるやり取りも可能になったのです。

 当時の私は知人と会社をやっていましたが、そこでも電話は確か小型のビジネスホンを導入し、ADSLも契約していたので、仕事の連絡も徐々にメールを中心としたやり取りに代わって行きました。また携帯電話でもドコモの「i-mode」が普及してから、電話でもメールが出来る様になりましたので、個人で連絡を取り合うにも、電話で話すのではなく携帯電話のメールでやり取りをする機会も確実に増えて行きました。

 それから20年ほど経過した現在、人々のコミュニケーションの形はかなり変化をしましたね。

 まず端末はスマートフォンが主流となり、昔のWindows-PCよりも高性能な端末がコンパクトなものになり、個人の連絡についても電話でのやりとりは殆どありません。多くはLINEなどのアプリケーションで行われています。もし話をしたいのであればLINE電話で済ましています。一応、スマートフォンは携帯電話なのですが、携帯電話の回線で話す機会も、個人的な範疇ではかなり減っています。電子メールも個人ではあまり使っていないのではないでしょうか。まあ保険だとか様々なサービスを受ける際に、個人の持っているメールアドレスを登録したりするので、電子メールのやり取りも、その関係のものが大半を占めていると思います。

 また仕事関係については、新型コロナのパンデミック以降、MS-TeamsやZoomなどのツール関係が一気に普及しました。その事から電話についてもクラウド経由で会社の外線も、MS-Teamsで受けたりする事が大半になりました。まあこれは私の様なIT業界で仕事をしているケースであり、営業や製造関係ではいまだに電話は会社間のコミュニケーションツールとしては、重要な位置づけを占めています。

 先日、とある会社の情シス関係で仕事する人と話をする機会がありましたが、そこでは会社の電話についても、PBXではなくAWSやAzureなどのクラウドに置き、BYODで個人のスマホを内線端末として利用する事を検討する事が、ここ最近のミッションだという話をしていました。

 そうなってくると、企業間のコミュニケーション形態も、今後どんどん変化をしていく様に感じていますし、それを後押ししているのが、先のNTT東日本から発表された、固定電話のIP網移行の動きなのかもしれません。全てのコミュニケーションはIP(Internet Protocol)に集約をされていき、そこでは音声だけではなく、メールやSMS、またSNSをも利用できる環境となって行きますからね。

 より多様で様々な情報が活発に使われていく。そんな社会になっていくんでしょうね。

 私が初めて携帯電話を使い始めたのは、26歳の頃で今から31年前です。そこから考えたら今の時代、当時はSFの中で語られていた様な時代になってきているなと、シニアに片足を突っ込み始めた私は実感しています。

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