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IT業界につとめる「雑貨屋(なんでも屋)」が、業界の事、情報セキュリティの事、趣味や日々雑感を綴っていきます。お暇な方はおつきあい下さい。

データベースよもやま話②

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 佐藤@IT雑貨屋です。

 私がこの業界に入った時、それは今から四十年近く前の事ですが、当時は「データベース」というものが、あまり普及していませんでした。
 当時、二次元CADを開発していた会社に在籍していましたが、そこで使用していたのは所謂「バイナリファイル」というもので、固定長レコードを用いたものでデータを管理していて、当時のプロジェクトリーダが新日本プロレスのアントニオ猪木が大好きだったので、独自に「ファイヤーベース」という呼称を付けて読んでいました。

 その後にInformix(知っている人はいるでしょうか)が販売開始され、CADデータをInformix形式で管理する事となり、そこから例えば見積積算システムとの連動とか、外部システムへのデータ連携という事が始まりました。

 それまではバイナリファイルであったので、データメンテナンス等も手間がかかりましたが、汎用データベースを利用する事で、CADシステムを立ち上げなくても、汎用データベースのビューワーなどを使い、データの検索や参照が出来る様になったのも、当時は画期的であり、地方新聞の経済面に小さい記事でしたが紹介されました。

 それ以外にも、当時携わった仕事の中で、某大手システム会社の開発したCADシステムのデータ変換などを手掛けた時に、そのデータファイルの形式について開示されましたが、その某大手システム会社のCADでは、データファイルの他にインデックスファイルというのを設けて、そこではインデックス毎にキー値を設け、そのキー値でソート(並べ替え)を行い、そこの値からデータファイルを参照しにいくという仕組みを取っていました。バイナリファイルをプログラムで参照する際、Seekという処理を実行するのですが、インデックスファイルにある位置まで一発Seekする事で、単純な固定長ファイルを検索するよりも、より高速で効果的なデータ検索を行う事が出来たのです。

 また他にも、当時は米国のCA(Computer Associate)社が提供していたxBASEや、先日のよもやま話で紹介したBtrieveも利用しましたが、いずれもKVS型データベースで、個々のデータ検索は優れていましたが、相互に関係性(Relation)を定義して、それをSQL構文で人に理解しやすく検索処理が出来るものではありませんでした。

 実際に私が最初に弄ったRDBMS(Relational DBMS)と言えば、MS-Accessが初めてでした。MS-Accessではテーブルを定義し、複数のテーブルの関係性を定義しながら検索等が行えるクエリという機能には、当時感服したものです。これはWindows-95からですので、今から三十年近く前の話ですね。

 当時はそれ以外にもRDBMSとしては、国内ベンダが提供していた「桐」というデータベースもありました。この桐では日本語による簡易なマクロを組む事も出来て、日本人には少し親和性がある感じもしました。
 一時期はこの桐のアプリケーションも世に出てはいましたが、数年経過して下火となり、なくなってしまいました。

 その後、私は大手建設会社の社内システムの開発に携わる際に、MS-AccessとSQL-Serverを併用したシステムに携わり、RDBMSを扱う様になっていきました。当時はVisual Basicを使用して開発を行っていましたが、このRDBMSとプログラムのつなぎは「ODBC接続」というものを利用していて、システムインストールに合わせて、OS(MS-Windows)上でODBC接続の設定もしなくてはならず、少し手間がかかるとかんじていました。しかし直ぐにAODBという、ODBC接続を設定せずともプログラムレベルでRDBMSに接続できる仕組みも出来て来て、データベースアクセスはかなり容易になりました。

 最近(と言ってもここ十年程ですが)では、今仕事をしている会社で、DWHから百万件単位のレコードのデータを取り込み、そこから顧客の傾向性を分析してくれというオーダーがあり、PostgreSQLを利用して、タワー型のPCで解析プログラムを作成した事もありました。

 この時には、ベースとなるストアドプロシジャーを組んで、午前中に「それ!実行!」とやると、結果は翌朝に出力されるのですが、偶にプログラミングをミスってしまい、再度やり直しという事もあり、それなりに苦労しました。

 近年ではビッグデータという言葉も良く言われる様になりましたが、データベース回りも高度なものがリリースされ、専門のSEなどもいますので、様々な分析も以前とは比べ物にならない位、高速に出来る用になっていますよね。またそれを処理するハードウェアも進化していますので、そんな中、私は時代の進化という事を日々感じています。

 ちょっとした「よもやま話」でした。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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