日本ゲーム大手初参戦、バンダイナムコはFacebookゲームに旋風を巻き起こすか?
昨日、バンダイナムコ社がFacebookソーシャルゲームに本格参入する意向を発表した。
日本ゲーム業界大手からのFacebook参入は初だろう。それだけに期待感は大きい。
今回投入されたゲームは2つ、現実のサッカーチームが株式として売買される「City of Football」とダンジョンを友人と探索するロールプレイングゲーム「Treasure Abyss」だ。
「City of
Football」は、イングランドのプレミアリーグ、イタリアのセリエA、スペインのリーガエスパニョーラ、そしてUEFAチャンピオンズリーグの公式
試合データを反映したシミュレーションゲーム。サッカーチームや選手が株式上場されているという架空の設定のもと、それらの株式を運用して大株主を目指すもの。
「Treasure
Abyss」は、友人のアバターデータとパーティーを組んでダンジョンを探索するソーシャルRPG。オンラインの特性を活かし、キャラクターの職種や武器、ダンジョンなどを定期的に配信する予定で、誰でも長く楽しめるゲームを目指している。
同社は今後、これらのタイトルのiPhone/iPod
touch版の配信も予定しており、Facebook版と相互連動するコンテンツを提供するとのこと。またFacebookでは同社の製品情報を集約したポータルファンページを開設し、SNSならではの双方向コミュニケーションによるプロモーションを行なう方針を発表している。
特に注目されるのは、海外の熱狂的サッカーファンをターゲットしているCity of Footballだろう。日本ではあまり馴染みがないが、現実のスポーツチームを題材としてチームや選手の活躍を予想するゲームは「ファンタジースポーツ」と言われ、リアルの場でのソーシャルゲームの一種と言える。
当社ループスではこのCity of Footballに関するコンサルティングをバンダイナムコ社から受託しており、元アルゼンチンのプロサッカーチームに所属したこともある社員、北野達也(ITmediaオルタナブログでもスポーツとソーシャルメディアを題材に執筆中:「SS the world」)が担当している。彼のこのゲームに対する熱いメッセージを紹介させていただきたい。
City of Foolballのゲームフィールドは、実在するヨーロッパのサッカーチームや選手が株として上場されている架空世界です。 プレイヤーは、投資会社の社長になり、 チームや選手の株式を運用し、大株主を目指します。 売りとしては、ヨーロッパサッカーの実際の公式試合結果データを毎週反映させ、 その都度チーム/選手の株価が変動する本格的なシミュレーションゲームである点。 またログインボーナスで選手株がゲットできたり、友人が選手株をゲットした際に期間限定で購入できる、利用者同士がコミュニケーションできるなど、モチベーション設計やソーシャル設計も様々されています。ヨーロッパのサッカーファンは日本と比べて、熱狂的なファンが多いのですが、 応援しているチームの選手株は意地でもコンプリートしたい!というインサイト予測をもとに設計されています。 デザインもシンプルで分かりやすいかと思います。Facebookを利用しているサッカーファンの皆様、サッカー観戦が何倍も楽しくなる、この City of Football 上で熱くサッカーを語りましょう!(北野達也 Facebookアカウントは こちら)
参考まで、日本大手企業のFacebook参入例は非常に少なく、その存在感は極めて薄い。期待の星だったDeNAの怪盗ロワイヤル英語版、Bandit Nationもこの8月末でFacebookからは撤退し、iPhoneにターゲットを絞ることになった。
唯一、孤軍奮闘しているのはアクティブユーザー数130万人を誇るサイバーエージェントのAmeba Picoだ。日本関連企業データとして、サイバーエージェクトと米国ソニーオンラインエンタテインメントのFacebookアクセス状況を付記しておきたい。
日本ゲーム業界初参入、バンダイナムコは、Facebookゲームに旋風を巻き起こすことができるだろうか。日本人としても大いに気になるところだ。
【追記】
当社北野より、City of Footballに関する詳しいブログ記事がアップされました。
・ 日本初の試み!Facebookサッカーゲーム「City of Football」をOPEN!:SS the WORLD
記事裏話やイベント、講演スライドDL、バイラルムービー集など、Facebookファンページは こちら
【ソーシャルゲーム関連】
・ 「ソーシャルゲーム」はどうして儲かるんだろう? (7/20)
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