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【速報】爆発するソーシャルゲーム・ユーザーをコマースに誘導。Facebookに新サービスが登場

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Facebookは会員数が3.5億人になったとの報道があった。米国総人口を超える規模に成長したわけだが,その最大の牽引役はソーシャルゲームだ。例えば史上最大のヒット作であるFarmVilleの月間アクティブユーザーは7000万人!ここに来てさらに成長を加速させている。(FarmVille ユーザー数推移

歴代最強のFacebookアプリ「FarmVille」,超ヒットの秘密を探る (2009/9/10)

Facebookが着火したソーシャルゲームの爆発的なうねりは,mixiオープン化により日本にも飛び火した。オープン化で先行したmixiは,開始2ヶ月間でPC版の総利用時間を倍増させ,それまでの低迷がウソのような快進撃をはじめたが,これも原動力はソーシャルゲームだ。

そしてソーシャルゲームはアクセスを稼ぐだけではない。収益源を探しつづけていたソーシャルメディアがついにたどり着いた巨大な金脈なのだ。

ではこのソーシャルゲームはどのように稼ぐのか?
前述したFarmVilleを例にして,簡単に仕組みを説明しよう。

Facebookアプリではその多くがゲーム内で使用できる仮想通貨(以下,ゴールドと呼ぶ)を発行する。基本的には最初に与えられたゴールドでゲームをすすめられるが,より効率的にゲームをすすめたり,友人にプレゼントしたりするためにはアイテム(ゲームツールやバーチャルギフト)を購入する必要が出てくる。

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これはゴールドが足りなくなったときに出現するおなじみの画面だ。ここでユーザーは (1)ゴールドをクレジットカードで購入する (2)オファーされた行動をとる のいずれかによってゴールドを獲得する。オファーされた行動とは,例えばクレジットカード会員になったり,カジノゲームに登録したり,他のアプリに登録したりなど様々だ。そしてその価値によってユーザーが得られるゴールドの量は変わってくる。例えばカジノゲーム登録は700円相当,ダイエット食品無料申し込みは300円程度,他のゲームへの登録は30円程度などなど。ちなみにFacebookではこれら課金やオファー広告を提供する業者もオープン化されており,ゲーム・デベロッパーは専用のサービス事業者と契約する形式を取っているのが一般的だ。

ただしこのオファーが実は曲者だ。Facebookに規制がなかったこともあり,業界トップのOfferpal Media社がリードする形で詐欺まがいのサービスへの流入を促進していたのだ。これに対して米国プログメディアのTechCrunchが大規模な告発キャンペーンを行い,なんと二週間足らずの間に事態が急変した。トップデベロッパーであるZynga,Playdom,Rockyou!などが次々と詐欺追放を宣言,温床となっていたFacebookやMySpaceも対応を表明,悪名高かったOfferpalの女性CEOであるShaklaが解任されるという劇的な幕切れを迎えた。1ヶ月ほど前のことだ。

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【悪の根源とされたShakla氏】

この一連の大キャンペーンについては次の記事にまとめてあるので興味のある方はぜひご確認を。

ソーシャルゲーム業界を席巻した米国ブログメディア驚異の影響力 (2009/11/7)

新CEOのもとで再出発をとげたOfferpal Media社が沈黙を破ったのは昨日のこと。注目すべき新オファー・プログラムを開始すると VentureBeat に報じられたのだ。

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このサービスは,Offerpalが提携するコマースサイトで扱っているリアルな商品を購入すると価格の5%~10%程度に相当するゴールドがユーザーに提供されるというものだ。対象としている商品は,アパレル,アクセサリー,家電,エンターテインメント,食品,ギフト,ソフトウェア,スポーツグッズ,旅行,各種サービスなど実に多様だ。中には価格の30%相当のゴールドを提供する商品もあらわれそうだとのこと。

実は,これらゴールドを活用し,このような商品アフィリエイトを促進するアイディアを最初に取り入れたのは日本のモバゲー(モバゴールド + ポケットアフィリエイト)だ。世界中のソーシャルゲーム関連ビジネスは日本携帯サイトのビジネスモデルに注目しており,今回のOfferpal社新サービスもその一連の流れといえる。

世界中から注目が集まる,日本携帯サイトのビジネスモデル (2009/10/23)

ここでポイントは,ソーシャルゲームの世界的バブルの巨大余波がリアルコマースを活性化させる可能性が高まってきたことだ。

国内に目を移すと,モバゲーは自社アフィリエイトサービスをゲーム・デベロッパーに提供する予定だし,mixiは中間サービスを 外部業者に開放しはじめた のでこのような仮想通貨と連動するサービスが出始めるのも時間の問題だろう。

実際に,今年の米国ホリデーシーズンでは,ソーシャルメディアからの流入が急増している。次のチャートは米国ネット調査会社のHitwise社が発表したもので,ホリデーシーズンにおけるリテールサイト・トップ500におけるFacebook/Twitterからの流入が急増している様をあらわしたものだ。

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このチャートを見ると,会員数ではいまだにFacebookと大きな差があるTwitterだが,その影響力はFacebookに準ずるレベルまで達していること。Twitterの活性化度合いをあらわす顕著なグラブだ。さらにトップ5サイトに絞り,Facebookからの流入を見たのが次図である。

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このようにクチコミだけでも十分に影響力を増しているソーシャルメディアだが,そのキラーコンテンツとなるソーシャルゲームの仮想通貨がコマースと連動すると,この流れがさらに加速することは間違いないだろう。

しかも単に即時購入が増えるだけでなく,その購買行動がFacebook内の友人にポストされることになると自動的で強力なリコメンドとなる可能性もある。

ちなみに筆者はソーシャルゲームのオファーにおけるクラウドソーシングへの流れも注目している。興味ある方はぜひ次の記事を見ていただきたい。

ネットで働いてゴールドを稼げる。Facebookアプリにもクラウドソーシングが登場 (2009/10/24)

ソーシャルゲームのバブルに参戦するのに必ずしもゲーム・デベロッパーになる必要はない。mixiアプリは現在600程度だが,Facebookアプリが35万,iPhoneアプリが10万を超えているのを考えると,そのアプリ開発競争が急速に激化していくのは間違いない。

仮想通貨と連動した課金や広告,クラウドソーシングなどをゲームに提供する中間サービス事業は非常に注目されるビジネスだろう。現在のmixiやモバゲーのデベロッパー還元率は海外と比較するとかなり低いレベに押さえられている。ソーシャルゲームが日本でさらなる急成長を続けるためには,これら外部サービスの充実が重要なキーとなると筆者は予想している。

【参考記事】
mixi,モバゲー,iPhone 徹底比較 「どのアプリが一番儲かるか?」 (2009/12/1)
歴代最強のFacebookアプリ「FarmVille」,超ヒットの秘密を探る (2009/9/10)
ソーシャルゲーム業界を席巻した米国ブログメディア驚異の影響力 (2009/11/7)
世界中から注目が集まる,日本携帯サイトのビジネスモデル (2009/10/23)
ネットで働いてゴールドを稼げる。Facebookアプリにもクラウドソーシングが登場 (2009/10/24)


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