【速報】世界中から注目が集まる,日本携帯サイトのビジネスモデル
昨日に続いてモバイルサイトの話題を。
昨日の記事で,10月20日に行なわれたWeb2.0サミットでのモルガンスタンレー社の発表資料を取り上げた。
・ iPhone vs Android vs SymbianOS。モバイル三国志の現状と未来予測
この中で,2009年で最も重要なトレンドは「モバイル」で,そのビジネスインパクトはPCウェブの10倍以上になるだろうとの予測がある。
中でもポイントは,PCとモバイルにおける「ウェブの収益構造の違い」だ。
広告・eコマース・有料課金という三つのくくりでみると,広告が40%と最大の収益源となっているPCに対して,モバイルではeコマース比率が73%と非常に高いことがわかる。
さらに注目しているのは,両グラフの赤線で囲んである「Users Pay for Instant Access」(コンテンツ有料課金およびデジタルコンテンツ販売の合計)が非常に高く,PCが30%であるのに対して,モバイルでは76%にもなっている点だ。具体的にはアバターやゲームグッズなど,GREEやモバゲーの貢献が大きい。
つまり,PCと比較して,携帯コンテンツへの有料課金に対するユーザーの抵抗感が少ないというデータだ。
このことは,iモード以来,携帯でのコンテンツ課金がすっかり浸透している日本人にとっては至極自然なことだが,実は海外にとってはインパクトのあるデータのようだ。
こちらのチャートは,前述の広告・eコマース・有料課金に加え,携帯キャリアのデータアクセス収入を追加したものだ。
そして興味深いことに,2000年の日本(iモードが世界から注目された年!)と2008年の海外の収益構造が類似している様がデジャヴとして示されている。今の海外のモバイルビジネスへの期待感,特にユーザーへのコンテンツ課金の可能性は,まさに我々が9年前に体感したiモードに通じるものなのだ。
そしてこのプレゼンでは,もう一枚,楽天における携帯比率の高まりが紹介されている。
この図によると楽天の携帯比率は,この4年間で4倍,全売上の16%にのほっている点が注目されている。
過去においても,モバゲーとGREEは,ソーシャルネットワーキングの世界において世界に先駆けた複合型ビジネスモデルとなり,FacebookやMyspaceなどのお手本となっている。
iPhoneやAndroidなどテクノロジー面におけるリーダーシップは米国が完全に主導しているが,国内モバイルビジネス市場の先行性を活かせば,これから大爆発する「ワールドワイドのモバイル市場」において,日本企業の優位性を発揮できるのではないか?
「セカイカメラ」はARのモデル技術として世界的に注目された。モバイルビジネスのフロンティアDeNAがモバゲー・ノウハウをベースに世界進出することも発表された。私自身,2000年前後の携帯ビジネスには前職で深く関与していたこともあり,『日本発,世界に広がる企業,ビジネス,テクノロジー』 が若い感性から次々に生まれてくることを秘かに期待しています。
【参考記事】
・ 「ソーシャルメディアってどう?」 これだけは知っておきたい最新ウンチク集
・ iPhone vs Android vs SymbianOS。モバイル三国志の現状と未来予測
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