NYタイムズのしたたかさ
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NYタイムズは先日、通年で初めて購読収入が広告収入を上回ったと発表しました。
これまで、同社については広告収入が減り続けて利益が逼迫しているという悪いニュースが続いていたので、通年の決算を見て、「おっ、凄いな」とびっくりしました。
発表によれば、購読収入増に貢献しているのはデジタル版の有料購読者数が増えたことにあるそうで、同社の決算書を見ると、デジタル版の有料購読者数は前年より13パーセント増えて64万人になったとか。
Wikipediaによれば、同社の平日版の紙面の購読者は約160万人なので、なんと既に紙媒体の4割に匹敵するデジタル版の有料購読者が存在することになり、もはや同社の大黒柱になりつつあるのは確かです。
デジタル版の購読者が増えた背景の一つに、スマートフォンやタブレット端末の普及や高解像度のディスプレイの進歩があることは当然ですが、何よりも、「有料でも読みたい」と思わせるコンテンツのパワーが優れているのでしょう。その工夫は、米国人が何よりも大好きなクロスワードパズルが「プレミアコンテンツ」に指定されていて、追加でお金を払わないと楽しめないという仕掛けにも窺えます。なかなかしたたかな会社です。