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プロダクトマネジメントとイノベーション

賢すぎたのか、Kodak

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数日前の新聞に、「デジカメ、無線でもっと便利に」という記事が載りました。Eye-Fiという、無線LAN機能を付加したメモリーカードを使って、デジカメからスマホやパソコンに写真を送信できる機能についての記事で、最近、様々な用途が開発され、脚光を浴びているとか。

この記事を見て、「はて?」と思いだしたのは、今から7年も前にKodakが市場に投入した「EasyShare-One」という機種です。無線LAN機能をカメラの筺体の方に付けたものですが、当時のメディア記事を見ても、上記とほぼ同じコンセプトを実現したものであることが分かります。

フィルムで帝国を築いたコダックですが、先日、米国破産法を申請しました。その引き金はこれではないか、という評論が内外で見られます。

当時、コダックはデジカメのシェアで上位であり、うまくいけばフィルムからデジタルに見事に転換できるはずだった模様です。それを後押しする機種として登場したのがEasyShareというネットワーク対応商品ですが、売れ行きはあまりパッとせず、結局、生産中止に追い込まれたそうです。その間、ライバルたちはこのような新コンセプトの製品に向かうのではなく、「どうすれば素人でもプロのような写真が撮れるか」という点を追求し、オートフォーカス、フェースディテクション、赤目修整など、数々の撮影支援機能を投入しています。

この数年の間に命運が逆転しまったわけです。ライバル達はデジタルの潮流に乗り、逆に、コダックは一瞬乗りかけた潮流からはじき出されてしまったわけです。コダックも同じ潮流に乗り、その後にネットワーク対応製品を出していれば行く末が多少は変わったかもしれません。

この「潮流に乗る」というのは実に難しいものだと思います。よくコダックは経営多角化の力がなくて破たんしたのだという人がいますが、決してそういう単純なものではないでしょう。

新技術をどのような順番で商品化して市場に投入するか? ユーザの声を聞いていても判断を誤ることもあります。

かつての帝国に対してまったく僭越ですが、技術経営というのは実に難しいと思います。

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