IBMによるSunの買収はお買い得か?
Wall Street Journalが、IBMがSunの買収について交渉に入っていると報道したようです。買収金額は65億ドルで、IBM史上最大額の買収になるとか。Sunの身売りについては年明けぐらいから様々に憶測が流れていましたが、上記記事を見ると、Sunからハードメーカー各社に交渉を持ちかけていたようで、それが漏れていたのでしょう。
さて、文化が異なる2つの会社が一つになれるだろうか? すぐそう思ってしまいますが、この規模の大金が動くからには、そんな風土の域を超える相当な確信が両社になければならないでしょう。
とりあえず、Sunは数百億円の赤字連発だったのが2007年度から黒字企業として立ち直っており、資産も1.4兆円ほどあります(直近は少しヤバいですが)。ちょっと高すぎるのでは?と思いますが、65億ドルの買い物としての価値は強引に見いだせるかというレベルです。
ただし、これだけだと株主を説得することはできないでしょう。続けて眼に入ったのは同じWall Street Journalのこの記事です。ここでは、IDCが2009年のデータセンター向けハード・ソフト市場を10兆円と予測しており、IBMやHP、そして、サーバ市場に新たに参入するシスコなどのコンピューターメーカーが一斉にこの市場を獲得しようとするはずだというもの。10兆円というのは凄まじく大きい市場です。日本のIT産業に匹敵するぐらいの規模ですから、コンピューターメーカーにとって、日本と同じぐらいの市場が口を開けて待っているということです。IBMにしてみれば、Sunと組んで、このうちの10%でもシェアを取れば、今回の買収金額の元は取れるということなのではないでしょうか。
察するに、この瞬間風速的な市場の出現を絶対に逃してはならないという確固たる決断が両社にあるのではないかと思われます。HPはEDSと組むようですが、IBMはSunと組んでより大きなシェアを取るよう舵を切るのかもしれません。
個人的には日本の企業、特にSunと親しかった富士通に買収して欲しいと思っておりますが、近いうちに決着するでしょうか。楽しみに待ちましょう。