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プロダクトマネジメントとイノベーション

技術者よ、Web 2.0など語っている場合ではない

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「技術者の皆さん、Web 2.0なんぞと語っている場合ではないですよ」と言いたい今日この頃です。吉川さんも以前、「○○ 2.0」というバズワードに躍らされるな」という忠告を書かれていました。

といいながら、私も2.0系の記事を早稲田ビジネススクールレビューに書いた張本人ですが・・・

Web 2.0についてはO'Reillyを始め様々な解説がありますが、少なくとも、1.0に問題がなければ2.0の話なんぞ出てこないでしょう。昨今、2.0のようにどんどん先走るような論調が増えた背景として、IT産業の中では単なる技術屋・ものづくり屋であることに高い価値がなくなったということがあるでしょう。要するに、ソフトウェアもコンピュータも誰でも作れるのでネタにならないということです。

本記事によれば、中国の(わずか)トップ100企業の昨年のソフトウェア売上げは日本のソフトウェア市場の半分を占めるまでになっています。輸出額は既に日本を抜いているでしょう。中国に限らず、このように、ソフトウェアものづくりの拠点は世界中に分散してしまいました。

もはや「2.0が流行ってるみたいですよ」と対岸の火事のように言ってる場合ではありません。2.0は日本の技術者の職がなくなる時代が来ていることを示しているのです。

米国は2004年のパルミサーノレポートによって、米国全土を世界のイノベーションセンターに作り変えると宣言しました。世界の技術者を集め、国家規模の予算を付けて連続的にイノベーションを起こす作戦です。大学院で科学とビジネスを同時に学んだ学生にはPSM(Professional Science Master)という修士号を与え、外国人学生には就労ビザも与えて優遇する制度も全州に拡げました。人材も単なる技術者ではなく、「ビジネス系技術者」にそっくり作り変えることでイノベーター(ことづくり屋)を大量生産するわけです。

21世紀中に米国ではGoogleのような企業が1,000ぐらいできるのではないでしょうか。

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"Science Degree Aims at Business," Wall Street Journal, August 3, 2004

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