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色は日常に当たり前のように存在しています。そして、意識するしないにかかわらず、私たちは色の影響を受けているのです。カラーマーケティングといっても、色の使われ方は多様で、パッケージや商品の色だけに限らず、販売促進、そして企業や人のイメージ戦略、また、商業施設や病院、美容院など様々な環境での色彩計画、そしてセラピーなど、様々な分野に及びます。ここでは様々な角度から事例を紹介し、色を付加価値として取り入れていく方法をお話ししたいと思います。

ロンドンオリンピック、ユニフォームの色は勝利への秘策

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ロンドンオリンピックの開会式まで10日!

通常、オリンピックにおいて、国旗や国章を元にしたナショナルカラーをユニフォームとする国は多く、日本のスポーツでも、日の丸や赤と白を使ったユニフォームは従来からあったのですが・・・

あの「ジャパンブルー」をイメージカラーとしたサッカーまでも、今回のオリンピックではアウェイに赤いユニフォームを用いるそうです。


理由は、大震災から立ち上がり、復興に向かう日本の底力を世界中にアピールするためで、性別や世代を超えた結束のメッセージが込められているからだとか。
実は赤を基調としたユニホームは、88~92年以来20年ぶりで、男女ともに共通のデザインだそうですね。

そもそも、日本のサッカーのユニフォームに青が使われたのはどうしてでしょう?
「日本の国土を象徴する海と空の青」という説もありますが、JFAの職員の方に伺ったところ、由来はわからないそうです。

ただこの「ジャパンブルー」と言われる深い青は、「藍色」と呼ばれ、日本人に最もなじみの深い色なのです。
奈良時代に中国から持ち込まれたと言われていますが、特に鎌倉時代から江戸時代にかけて藍染は流行したため、武士の着物にも用いられるだけでなく、庶民にも普及していきました。

藍染はその名の通り、藍草という染料を使って染めていきます。染める回数によって濃淡がある、とても幅の色い伝統色なのです。
だから、ひとえに藍色と言っても、この色だと指定する色はないのです。
今までの日本代表のユニフォームが、一定の青じゃないのもそのせいかもしれません。

ちなみに、この「ジャパンブルー」という言葉は、明治8年に日本を訪れた英国人が名づけたそうです。
それはあまりにも日本中に藍色の服があふれていたからだそうですが、その後明治23年に来日した小泉八雲も「日本は神秘なブルーに満ちた国」と称賛したそうです。
そのように日本文化の象徴ともいえる藍色は古くから日本人に愛された色であり、現在の私たちが深く惹かれるのも、このような理由があるからではないでしょうか。

しかも青は、冷静に判断しなければいけない場面に適した色であり、集中力を高めてくれます。
色のパワーは目から入るだけでなく、身に着けていると肌からも吸収されますので、物静かで感情的になりにくい日本人には特に向いている色なのです。

ところが、今回アウェイユニフォームとなる「赤」にも素晴らしいパワーがある色なのです。
青とは全く反対で、闘志の色・戦いの色だからです。
交感神経を刺激して人を興奮させるので、身に着けているとやる気と闘争心が溢れてくるのです!


イギリスの研究では、2004年のアテネ五輪で行われたボクシング、テコンドー、レスリングのグレコローマンとフリースタイルの格闘技4種目で、赤と青のどちらの色の競技服やプロテクターを身に着けた選手が勝ったかを調べたそうです。すると、調査した21試合のうち16試合で赤い競技服などを着けた選手が勝利を得るなど、4つの競技すべてで、赤が勝つ傾向が強いことが統計学的に明らかになったそうなのです。

私の調査でも、Jリーグの19年間で11回、赤いユニフォームのチームが優勝しています。
あのサッカーの神様ジーコも、住友金属がJリーグ参入が決まった時に、「赤は戦いの色、闘志を表す色だ!だからユニフォームは『赤』にする。」と言ったそうです。

だから、赤いユニフォームを着ることによって、今までにない日本のサッカーのプレイを見ることができるかもしれません。
赤と青のパワーを臨機応変に使いこなして、是非いい成績を残してほしいですね!


ところで、赤いユニフォームの場合、なでしこジャパンの澤選手のネイルは何色になるのでしょうね。
そちらも見どころですね!

 

london_uniform.jpg

写真は日本サッカー協会さまからお借りしています。

 

 

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