オルタナティブ・ブログ > Randomwalk >

予測できないITの行く先を、あちこち歩きながら考えてみます

Web2.0とコラボレーションとグループウェア

»

前回は、AjaxとRESTの関係から、どうしてWeb2.0にはこういう要素が含まれているのだろう、というところで終わりましたので、今回はその続きです。

その前に前回のエントリについて、そこでも紹介したRESTの解説記事の筆者の吉松さんから「AjaxとRESTはレイヤが違うので単純に比較しても無意味」というコメントをもらいました。

ご指摘はまったくその通りで、AjaxはJavaScriptによる実装技術を指していますし、RESTはWebアプリケーションのアーキテクチャのことを指すものなので、AjaxでREST的なアプリケーションを実装することは可能です。前回もGoogle Mapsの例を出してこのことは触れてはいましたが、タイトルで「AjaxとRESTのパラドックスがうんぬん」と書いてしまったし、ちょっとうまく説明できてなかったかもしれません。

で、Web2.0的なモノを作るには、Ajaxでいっちょあがりというわけではなく、RESTにも気を配らなければなりませんよ、と。

ジグソーパズルのピース

どうしてこんなにいろいろんな要素がWeb2.0のなかに詰まっているのだろう、というその理由は多くの人がすでに指摘しているように、Web1.0(=これまでのWeb)に対して、ITバブル崩壊後に新しい技術や考え方がいろいろ出てきて、それら新しいWebテクノロジの集合に対して「Web2.0」というコンセプト名を与えたものだからですね。

ただ、これだけいろいろあるおかげで、まるでジグソーパズルのピースのように「ソーシャル」とか「集合知」とか「RSS」とか「Ajax」とか「ブログ」とか「ロングテール」とか「永久にベータ」とか「マッシュアップ」といったWeb2.0的要素をを組み合わせて、みんなが一生懸命に自分なりにパズルの完成図を作ろうとしています。いろんなプレイヤーが参加できるのは、Web2.0の要素の多様性が1つの要因だと思います(もう1つはWeb2.0がプラットフォーム的だからですかね)。

グループウェアはWeb2.0に食うか食われるか

いま、Web2.0のゲームに参加しているプレイヤーの多くは、GoogleとかAmazonとかはてなとか、主にコンシューマ向けのネットビジネスをしている企業が中心的な存在として捉えられています。けれど、Web1.0が登場したとき、のちにそれがイントラネットとなって企業の情報システムに入り込んだように、Web2.0もいずれ姿形は多少変わるかもしれませんが、そのコンセプトが業務アプリケーションに応用されて提供されることになるでしょう。

特にコラボレーションに関する部分。ブログやWikiやサーチエンジンなどの知識の蓄積と検索の分野は、これらが進化して既存のグループウェアの存在の一部を置き換えるか、もしくはグループウェア側が先にこれらの機能や手軽さを取り込むか、といった“食うか食われるか”式の比較的分かりやすい現象がみられるのではないかなあと思っています(もちろん、共存する部分だってあるでしょう)。

偶然にも、栗原さんがコラボレーションの目的でWikiを使われて「便利だ」と書かれていますが、こうした、いままでグループウェアを用いるものだと思われていたコラボレーションの領域は、Web2.0がもっとも得意とする領域の1つでもあるのです。

Lotusphereの予想外れる

そんな予想でちょうどいま、グループウェアの雄であるロータスがフロリダで行っているイベント「Lotusphere 2006」の報道をITmediaエンタープライズでチェックしているのですが、いまのところ新バージョンなどでWikiなどを取り込むような動きは見られないようですね。

ロータス本社のラボ部門では、Notesの競合となる可能性があるブログやWikiやサーチエンジンの研究は間違いなくしているはずです(というか昨年のLotusphereで少しそういう話を聞きました)。問題は、そうしたWeb2.0的要素を、ロータスがいつどう進化させて製品に組み込んでくるのか。Mac版のNotesもいいのですが、私としてはそういう製品発表や次期バージョンの構想を今回のLotusphere 2006で発表されることを心待ちにしていました。けれどいまのところそういう報道はないので、ちょっと予想を外したかな、と内心思っています。

Comment(1)