それ聞いてどうするの?面接珍質問の真相
最近、IT関連企業で働く若者によく会う。1990年、91年あたりのバブル期に生まれた世代である。この世代は今現在、いわゆる第二新卒という新卒入社2~3年目にあたる。私はミドル以上の人材が得意領域なのであるが、ITリテラシー高い今の若者らしく、FacebookなどのSNSで私にコンタクトを取って来られる方がおり、私も積極的にお会いしている。
第二新卒向けの求人は昨今、溢れている。その為か「石の上にも3年」を目安に25歳前後で次のキャリアを考える若者は多く、情報収集に余念がない。具体的に転職活動が進んでいる方へは面接対策のアドバイスをする機会もある。そんな中、"珍質問"に対しての回答はどうすればいいのか?といったリクエストを何人かから受けたので、数年前にも同内容で取材を受けて考察したことがあり、まとめてみた。
新卒や第2新卒の採用面接では、スキルや経験よりポテンシャルを見る場合が多く、これらの採用には珍質問が時折登場する。
「自分を食べ物で例えたら何?」
「今朝、朝食は何を食べた?」
「コンビニを出店するとしたらどこに出す?」
特に飲食やコンビニ業界の企業が行う質問ではない。つまり、いきなり投げかれられたら、なかなか対処しづらい上記のような問い...それが珍質問である。この質問の意図とは何か?にまずお答えするとすれば、それは、「珍質問は回答として正解があるわけではない。あなたという人間の中身を知るためのフックとなる質問」ということになる。
また、これらの質問を大別すると、
・いわゆるコミュニケーション力を見ている。対応からキャラクター、パーソナリティを測っている。
・知識を問う質問で、世の中の出来事を知っているか、世の中に関心をもっているかを測っている。
・ロジカルに課題解決をする力を持っているかを測っている。
と大きく3つに分かれ、そして、これらは正解としての回答があるわけではないので、結果、日頃の自分が問われているわけである。つまり、自分の中に解答はある。そうなってくると、付け焼刃的に乗り切ることはなかなか難しい面があるので、対策としては、自己分析をしっかりやることが重要となるのだ。
「どんな学生生活を送ってきたか、学生時代に本気で打ち込んだことは何か、今の会社で何をしているのか、学生時代の経験をどう活かしてきたのか、そしてそうした自分はこれからなにをやりたいのか、それはなぜか」この視点でもって自分を語れるようにする。そして、どんな質問に対してもこの軸を伝えるようにすればいいのである。
回答するときは
・自分はどういう人間かをアピール
・相手がどういう人材を求めているかを理解した上で、だから私は貴社のニーズに会う人間なのですよということを伝える
以上のような軸でもって、珍質問に対処すれば、回答を導き出せるものと思う。もう一つ重要なのは、珍質問が来ても動揺しないこと。動揺してアタフタと支離滅裂な回答とならないように、「正解は自分の中にある」と思って、堂々と回答すると良いだろう。
直近5月の有効求人倍率がバブル崩壊以降で最高の1.09倍であった。
あらゆる企業で「人が足りない...」、「採用できない...」と言っているので深刻である。ちなみに統計開始後の最高は1.40倍。それはいつか?というとご想像の通りバブル真っ只中1990年と1991年。 "歴史上最も求人が多いとされたバブル真っ盛りの年"に生まれた今の第二新卒達が、珍質問を含めた面接を乗り越え、新たなキャリアを積んでいく姿を見守りたいと思う。(村田誠司)